
パークタワー勝どき・ブランズタワー豊洲・晴海フラッグ|湾岸タワーマンション徹底比較【後編】勝どき・晴海・豊洲・有明
東京湾岸タワーマンション徹底比較【後編】
勝どき・晴海・豊洲・有明
前編(芝浦・浜松町・月島)に続き、後編では勝どき・晴海・豊洲・有明の4エリアを取り上げます。この4エリアは湾岸の中でも「スケール感・開発勢い・生活利便性」が特徴のゾーンです。それぞれ性格が大きく異なるため、目的に応じた選択が重要です。
この記事で取り上げる物件
パークタワー勝どきミッド/パークタワー勝どきサウス/勝どきザ・タワー/ドゥ・トゥール
晴海フラッグ(HARUMI FLAG)/ザ・パークハウス晴海タワーズ クロノレジデンス・ティアロレジデンス/パークタワー晴海
ブランズタワー豊洲/スカイズ タワー&ガーデン/アーバンドック パークシティ豊洲
シティタワーズ東京ベイ/ブリリアマーレ有明 タワー&ガーデン
① 勝どき(最寄駅:勝どき)
今、湾岸で最もダイナミックに動いているエリア
勝どきは現在、東京湾岸エリアの中で最も再開発の勢いがある場所です。都営大江戸線で新宿まで直通、六本木・汐留・銀座へのアクセスも優秀。築地市場跡地の大規模開発エリアにも近く、今後の街の変化を見ていくうえで注目したい立地です。
現地から補足|勝どき駅の混雑
勝どき駅は確かに混みます。ただ、朝は勝どき居住者が電車へ乗る一方、駅から晴海トリトンスクエア方面へ向かう通勤者も多く、夕方は逆方向です。私は「駅が混む=居住者の通勤がすべて厳しい」とは見ていません。
パークタワー勝どきミッド(2023年竣工・45階・1,121戸)/サウス(58階・1,665戸)
三井不動産レジデンシャルによる「GRAND MARINA TOKYO」プロジェクトとして朝潮運河沿いに誕生した、首都圏最大規模のツインタワー計画です。ミッドは勝どき駅と地下通路で直結・徒歩1分。棟内にスーパー・クリニックモール・保育所・スポーツアリーナが入り、自己完結型の街を形成しています。
さらに注目すべきは3棟目(B棟・29階・464戸)が2025年度に着工し2028年度竣工予定という点です。B棟まで含む大規模な街区形成が進んでおり、勝どき駅周辺の歩行動線や生活利便性が今後どう変わるかも見ておきたいポイントです。
眺望という観点で、正直に言うと
ただし、パークタワー勝どきミッド・サウスについて一点正直に申し上げます。眺望という観点では、いわゆる「湾岸タワー」の醍醐味は出にくい物件です。周囲にTHE TOKYO TOWERS(ザ・東京タワーズ)、勝どきザ・タワー、ドゥ・トゥールといった大規模タワーが隣立しており、低〜中層階を中心に視線が抜けない住戸が相当数あります。眺望よりも「駅直結・街の利便性・共用施設」に価値を見出す物件と理解した上で検討するのが正解です。どちらかといえば「都心型タワーマンション」の性格が強い。
勝どきザ・タワー(2016年築・53階・1,420戸)
勝どき5丁目に位置するトライスター型タワーで、鹿島建設・三井不動産レジデンシャル・三菱地所レジデンスほか5社の共同開発です。環状2号線・築地大橋を挟んで港区側に隣接しており、方角によっては都心側・湾岸側どちらへも抜け感のある眺望が得られます。フォレストカフェやゴルフシミュレーションを含む豊富な共用施設も魅力です。
現場からの補足として、トライスター型ゆえに自棟の別の翼で視線が遮られる住戸があり、多角形の間取りになる住戸も少なくありません。家具の配置に制約が出る場合があるため、図面上の広さだけで判断しないことをお勧めします。住民の方は静かで、勝どきのタワーの中では最も落ち着いた雰囲気です。
ドゥ・トゥール(DEUX TOURS CANAL&SPA・2015年築・52階)
晴海3丁目に建つ免震ツインタワーで、運河に対して棟の向きを45度振った配棟設計が特徴的です。VIEWラウンジ&BARからのレインボーブリッジの眺めは湾岸有数のロケーションで、SPA(ドライ・スチーム2種のサウナ)を備えた共用部の充実度も高い。パークタワー勝どきとは異なる、「ベイビュータワー」としての個性を持つ物件です。
一方でツインタワーであるがゆえに二棟が相互に干渉し、ベイシティ晴海スカイリンクタワー、パークタワー勝どきと干渉する向きもあります。勝どき・月島エリアの中では最も華やかな共用部を持ちますが、賑やかさを好まない方には向きません。
現地感としては、ドゥ・トゥールは住所こそ晴海3丁目ですが、現在は生活感覚でかなり勝どきに近いマンションです。パークタワー勝どき側との歩行動線がつながり、以前より勝どき駅との心理的な距離も短くなりました。華やかな共用部を含め、私の言葉なら少し「ギラギラ系」。それが合う方には非常によく合います。
こんな方に向いています 大江戸線沿線勤務者・利便性重視のファミリー(パークタワー勝どき)、眺望とベイビューを重視する方(勝どきザ・タワー、ドゥ・トゥール)、静けさを求める方(勝どきザ・タワー)
② 晴海(最寄駅:勝どき・晴海BRT)
現地から補足|晴海は距離を一括りにしない
ドゥ・トゥール、ベイシティ晴海スカイリンクタワーあたりは、私は勝どき駅利用をそこまで苦に感じません。一方、クロノ・ティアロ・パークタワー晴海になると、橋を渡る毎日の距離感を確認します。
HARUMI FLAGはさらに性格が違い、駅近よりも広さ・静けさ・計画された街区を選ぶ場所。子供二人、4LDK、車、ペットまで条件が増えるほど、晴海を候補から外しにくくなります。
晴海フラッグ(HARUMI FLAG)の正直な評価
晴海といえば今、晴海フラッグの名前が最初に出てきます。東京五輪選手村を転用した総戸数5,632戸という超大規模プロジェクトで、タワー棟(SKY DUO)も含めエリアを一変させました。
ただ、現場目線で率直に申し上げます。晴海フラッグのブランドイメージは、中低層の大規模マンション群に囲まれた環境ゆえに形成しにくい面があります。東雲エリアのタワー群が中層マンションに囲まれて「湾岸タワー」としての独立感を出しにくいのと構造的に似た問題があり、タワーマンションとしての突出感・希少感が醸成されにくい。価格や評価は住戸条件・時期によって大きく異なります。晴海フラッグは、駅距離だけでなく、広さ・街区計画・眺望・交通手段を含めて比較したい物件です。
晴海の将来を考えるうえで、都心部・臨海地域地下鉄の計画は大きな材料の一つです。晴海には新駅が検討されていますが、現時点では将来計画であり、開業を前提に価格や資産性を判断する段階ではありません。現在利用できる交通手段と駅距離を基準に見たうえで、将来の交通整備は上振れ要素として分けて考えます。
ザ・パークハウス晴海タワーズ クロノレジデンス/ティアロレジデンス、パークタワー晴海
晴海エリアの中でタワーマンションとしての個性・存在感がより強いのは、三菱地所レジデンスのクロノレジデンス・ティアロレジデンスと、三井不動産レジデンシャルのパークタワー晴海です。これらは晴海フラッグとは街区構成や建ち方が異なり、独立したタワーとしての眺望や存在感を比較しやすい物件です。晴海では、晴海フラッグだけでなく既存タワーも同じ条件で見比べると違いが分かりやすくなります。
クロノレジデンスは晴海タワーズ3本の中で最も古い棟です。現場での実感を申し添えると、敷地が広く開放感がある一方、駅からの距離は写真では伝わりません。ティアロレジデンスとパークタワー晴海に干渉する向きは厳しくなりますが、低層階でも運河向きは意外と抜けの良い住戸があります。低層だから駄目とは限りません。住民は古くからお住まいの方が多く、資産価値の上昇を経ていながら派手さのない、落ち着いた雰囲気です。
こんな方に向いています コスパ重視・将来の地下鉄整備を見込む長期投資家(晴海フラッグ)、ブランド感と眺望を重視する方(クロノ・ティアロ・パークタワー晴海)、駅距離が気にならない方
③ 豊洲(最寄駅:豊洲)
湾岸エリアで「最も完成された街」
豊洲は湾岸の中で生活環境としての完成度が最も高いエリアです。ららぽーと豊洲・豊洲市場・昭和医科大学江東豊洲病院・豊洲公園と、日常に必要なものがすべて徒歩圏に揃っています。東京メトロ有楽町線で銀座・有楽町まで直通、ゆりかもめも使えてアクセスの選択肢も豊富です。
ブランズタワー豊洲(2021年竣工・48階・1,152戸)
豊洲を比較する際に、現在も有力な候補の一つとなる物件です。東急不動産・熊谷組施工の免震構造タワーで、豊洲駅徒歩4分。総戸数1,152戸という豊洲最大規模に加え、敷地の四方が開けた4面抜けに近い配置で眺望確保の面でも優位性があります。東雲運河とのキャナルビュー、レインボーブリッジ方向のベイビューが楽しめる住戸は多く、眺望や駅距離を重視する方にとって比較対象になりやすい物件です。共用部もスカイビューラウンジ・フィットネス・コワーキングルーム・DIYスタジオと充実しています。
売却時期を見るうえでは、所有期間も一つの材料です。土地・建物の譲渡所得は、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるかどうかで長期・短期が区分されます。したがって「築5年を超えたから自動的に長期譲渡になる」というものではなく、各所有者の取得日と売却年によって判定が変わります。ブランズタワー豊洲についても、税制だけを理由に売出しが増えると断定せず、実際の流通量を見ながら判断します。
スカイズ タワー&ガーデン(2015年竣工・44階・1,110戸)
豊洲6丁目、豊洲市場に近い場所に建つ三井不動産レジデンシャルのトライスター型タワー。豊洲エリアの南端に位置するため、東京湾方向への眺望の抜け感が格別です。湾岸エリアを代表する「眺望物件」として長年高い評価を受けており、築10年以上経った今も流通価格が高止まりしている物件です。
アーバンドック パークシティ豊洲(2007〜2009年築・52〜53階)
ららぽーと豊洲と地下通路で直結するという唯一無二の利便性を持つ、豊洲最古参の大規模タワーです。プール・ジェットバス・カフェ・コンシェルジュなど、共用施設も充実しています。築年数を重ねた現在も中古市場で比較対象になりやすく、豊洲を代表する既存大規模物件の一つです。
現場からの補足です。運河向き以外は眺望が抜けにくい構成で、外廊下であること、築年数相応の古さがある点は、内見前に知っておいた方がよい部分です。共用施設の充実度とは別の話として、実際にご確認ください。住民の雰囲気はゆったりとしており、ブランズタワー豊洲・スカイズ・ベイズと比較される方には物足りなく映る可能性があります。
こんな方に向いています 生活利便性最優先のファミリー、安定した賃貸需要を求める投資家、長期譲渡狙いで今動く方(ブランズタワー豊洲)、ゆったり過ごしたい方(アーバンドック)
④ 有明(最寄駅:有明・国際展示場・有明テニスの森)
五輪レガシーエリアの「今」
有明は東京五輪のレガシーを色濃く持つエリアです。有明ガーデン(ショッピングモール・ホテル・温浴施設)、有明アリーナ、有明テニスの森公園と、エンターテインメント・スポーツ・緑のインフラが充実しています。住戸によっては、都心近接の湾岸エリアの中で広さと開放感を比較しやすい選択肢です。
シティタワーズ東京ベイ(2019〜2020年築・3棟・総戸数1,539戸)
住友不動産による有明ガーデンプロジェクトの住宅棟として誕生し、ゆりかもめ有明駅徒歩3分、りんかい線国際展示場駅徒歩4分という2路線利用可能な立地です。イースト・セントラル・ウエストの3棟合計で1,539戸という規模感があり、エリア内での存在感は圧倒的です。
ブリリアマーレ有明 タワー&ガーデン(2008年築)
有明の既存タワーを比較する際に、長く候補に挙がってきた代表的な物件です。ゆりかもめ有明テニスの森駅徒歩5分。有明エリアの先駆け的な高級タワーとして、1階にスーパー文化堂、コンシェルジュ、プール、ジム、バーラウンジと充実の設備を揃えています。築年数を重ねた現在も中古市場で比較されることが多く、建物の個性や共用施設、管理状態を実際に確認しながら評価したい物件です。
有明エリアの課題は交通利便性です。ゆりかもめ・りんかい線の2路線が使えるとはいえ、都心への時間・乗換負担は他エリアと比べると重い。都心部・臨海地域地下鉄では有明方面の新駅も検討されており、実現すれば交通環境に影響する可能性があります。ただし現時点では将来計画です。購入判断では、地下鉄の実現や価格上昇を前提にせず、現在の交通利便性と価格を基準に考えるのが安全です。
こんな方に向いています 広さ・コスパ重視のファミリー、五輪施設エリアの生活環境を楽しみたい方、臨海地下鉄を見込む長期投資家
後編4エリアの位置づけ
| エリア | 都心距離 | 価格帯 | 資産性 | 生活利便性 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 勝どき | ○ | 中〜高 | ○ | ○ | 再開発最前線・駅直結・築地跡地の恩恵 |
| 晴海 | ○ | 中 | △〜○ | △ | フラッグより既存タワー・地下鉄実現が鍵 |
| 豊洲 | ○ | 中〜高 | ○ | ◎ | 生活完結・ブランズの長期譲渡タイミング |
| 有明 | △ | 中 | △〜○ | ○ | コスパ・広さ・臨海地下鉄を見込む将来性 |
前後編を通じたまとめ
湾岸7エリアを一言で分類するなら——資産性・都心近接派は芝浦・浜松町・月島。生活利便・安定需要派は豊洲・勝どき。将来の交通・街の変化も含めて見る方は晴海・有明。
「どこが一番いいか」という問いに正解はありません。目的、予算、保有期間、使い方——それらをかけ合わせて初めて答えが出ます。そしてその答えは、ポータルサイトを眺めているだけでは出てきません。
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