
なぜ「有明」と呼ばれるのか。|豊洲・有明、東京湾岸の地名をたどる
有明とは?豊洲・有明の地名の由来
——「有明の月」と、1937年に生まれた「豊かな洲」。湾岸の歴史をたどる
「有明」という地名は、どこから来たのか。
そして「豊洲」という名前には、どんな願いが込められたのか。
現在はタワーマンションや大型商業施設が並ぶ豊洲と有明ですが、 その名前には、東京湾岸がつくられてきた歴史が残っています。
地名シリーズ最終回です。 第1回(芝浦・浜松町・浜離宮・三田) 、 第2回(月島・佃・勝どき・晴海) に続き、第3回は豊洲・有明。 地名の由来から街の歴史をたどり、湾岸10エリアを総括します。
豊洲と有明は、湾岸の中でも 比較的新しい時代につくられた街です。 地名の由来を知ると、その成り立ちがよく分かります。
TOYOSU / 豊洲
PAST
5号地・造船所・ガス工場
現在の豊洲一帯は、東京港の埋立によって形成された土地です。 1937年7月に「豊洲」という町名が設定され、 その後、1939年には東京石川島造船所の第二工場が操業を開始しました。 造船をはじめとする産業の拠点として使われた時代を経て、 現在の住宅・商業地へと大きく姿を変えています。
NOW / 2020年代
住宅・商業・市場がそろう湾岸の生活拠点
ブランズタワー豊洲、 スカイズ タワー&ガーデン、 アーバンドック パークシティ豊洲など、 大規模マンションが立地。 ららぽーと豊洲、豊洲市場、医療・教育施設なども集まり、 住宅地として大きく変化しました。
地名の由来
1937年(昭和12年)7月、
この埋立地に「豊洲」という町名が設定されました。
江東区は、その由来を
「将来の発展を願って、豊かな洲となるよう命名されたものと言われる」
としています。
命名方法を公募だったとする説明もありますが、
今回確認した江東区の地名由来資料では、その命名方法を裏付ける記載は確認できませんでした。
そのため本記事では、確認できる範囲に絞って記載します。
現在の豊洲は、 造船・工業の街から住宅・商業の街へ大きく変わりました。 マンションを選ぶ場合も、 「豊洲」という一つの名前だけではなく、 1丁目から6丁目までの土地利用の履歴を分けて見る必要があります。
地盤・液状化・水害・土壌汚染については、 豊洲1〜6丁目の地盤・液状化・水害を詳しく調べた記事 にまとめています。
ARIAKE / 有明
PAST
埋立・港湾整備から生まれた街
有明は、東京港の埋立・港湾整備の中で形成された地域です。 その後、展示施設や交通基盤、住宅、商業施設などの整備が進み、 現在の街へと姿を変えてきました。
NOW / 2020年代
住宅・商業・スポーツが集まる新しい街
シティタワーズ東京ベイ、 ブリリアマーレ有明、 ブリリア有明スカイタワーなど 大規模タワーマンションが立地。 有明ガーデン、有明アリーナなども加わり、 住宅・商業・スポーツ・展示機能が共存する街になっています。
有明とは?|地名の由来
江東区は「有明」について、 「有明の月・有明の灯」など、夜明けに残る月の様子を表す言葉 として紹介しています。
隣接する「東雲」も、江東区の地名由来では 明け方にたなびく雲、夜明け・あかつきを意味する言葉とされています。 有明と東雲には、どちらも夜明けを思わせる言葉が使われています。
街の記憶
古い市街地とは違う、有明の成り立ち
有明は、 古くから住宅や商店が連続してきた街ではありません。 埋立と港湾整備の中で形成され、 その後、展示施設、住宅、商業施設などが 計画的に配置されてきました。
有明の地価は、 町丁目・用途・駅距離・前面道路などによって大きく異なります。 そのため、 一つの地点の地価だけで 「有明は高い」「有明は安い」と決めることはできません。
近年の公示地価・基準地価では上昇が確認される一方、 それが個々のマンション価格と同じ意味になるわけでもありません。 土地の価格とマンション価格は分けて見る必要があります。
有明1丁目・2丁目、
東雲1丁目・2丁目について、
液状化・洪水・内水・高潮・地価、
代表的なタワーマンションまで町丁目別に調べた記事はこちらです。
東雲・有明の地盤は大丈夫?|
1・2丁目の液状化・水害・地価とタワーマンションを徹底検証
SUMMARY / 湾岸10エリア総括
湾岸10エリアの地名と記憶
CHIMEI SERIES COMPLETE / 全3回
芝浦
「芝の浦」と呼ばれた海辺の土地。
漁場・港湾・工業地帯からタワーマンションの街へ
浜松町
江戸時代から続く地名。
江戸から続く市街地と鉄道・業務機能が重なる街へ
浜離宮
徳川将軍家の浜御殿から皇室離宮へ。
江戸の海辺の記憶が残る場所
三田
古くから続く地名で、由来には複数の説があります。
寺社・大名屋敷・教育機関・再開発が重なる街
月島
明治期の埋立によって形成された街。
明治期の埋立地から住宅・商業が重なる街へ
佃
大阪・佃村とのつながりを持つ歴史ある地名。
漁師町からリバーシティ21へ
勝どき
「勝鬨」に由来する名前。
工場・倉庫の街から大規模住宅地へ
晴海
晴海の成立とともに使われてきた地名。
港湾・展示・五輪選手村から新しい住宅街へ
豊洲
1937年7月、埋立地に設定された町名。
工業地帯から住宅・商業・市場の街へ
有明
「有明の月」など、夜明けを思わせる言葉。
港湾・展示・スポーツ・住宅・商業が重なる街へ
地名には、街の記憶が刻まれています。
芝浦、浜松町、浜離宮、三田、月島、佃、勝どき、晴海、豊洲、有明。 同じ東京湾岸でも、 街が生まれた時代も、土地の使われ方も違います。
今タワーマンションが建ち並ぶ場所にも、 かつて海だった時代、 港湾・工業・倉庫として使われた時代、 住宅地へ変化した時代があります。
物件を選ぶとき、 その街がどのようにつくられてきたのかを知ると、 現在の地盤、街区、マンションの見方も少し変わります。
あわせてお読みください
第1回|芝浦の地名の由来と30年前の姿
第2回|勝どきの名前は日露戦争から(月島・佃・晴海)
湾岸の地盤は本当に弱いのか|昔は全部、海だった
豊洲の地盤は大丈夫?|1〜6丁目の液状化・水害・土壌汚染
東雲・有明の地盤は大丈夫?|1・2丁目の液状化・水害・地価とタワーマンション
湾岸タワーマンション徹底比較【後編】
東京の地価・エリアを考える
参考:江東区「江東区の地名由来」、株式会社IHI「豊洲とIHI」「豊洲のまちづくり」等。地名の由来には諸説があるため、行政・企業の一次資料で確認できる範囲を中心に記載しています。
地名を知ったあとに、湾岸全体を見る。
豊洲と有明だけでなく、
湾岸の街を横に並べる。
街の違い、マンション、地盤、眺望、暮らしまで。湾岸を一つのページから見ていきます。
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