【第3回】湾岸の地名・昔の姿・神社仏閣——豊洲・有明の画像

【第3回】湾岸の地名・昔の姿・神社仏閣——豊洲・有明

【第3回】湾岸の地名・昔の姿・神社仏閣 豊洲・有明 + 3回シリーズ総括 | blueblooded

BLUEBLOODED COLUMN / 地名シリーズ 第3回(完結)

湾岸の地名・昔の姿・神社仏閣
江戸から現代へ、街の記憶

豊洲 有明 3回シリーズ総括

地名シリーズ最終回です。第1回(芝浦・浜松町・浜離宮・三田)、第2回(月島・佃・勝どき・晴海)に続き、第3回は豊洲・有明を取り上げ、湾岸9エリアの総括をお伝えします。豊洲と有明は、湾岸の中でも最も「近代に作られた」街です。地名の由来を知ると、その若さがよくわかります。

TOYOSU / 豊洲

PAST / 昭和12年命名〜平成初期

5号地・造船所・ガス工場

1937年まで「5号地」と呼ばれた無名の埋立地。IHI(石川島播磨重工業)の巨大造船クレーンが空を支配する工業地帯。東京ガスのガス工場も広がり、一般人が立ち入れない場所だった。90年代は工場町の風情が残る、今とは全く別の街。

豊洲 TOYOSU

NOW / 2020年代

湾岸生活完結エリアNo.1

ブランズタワー豊洲(48階・1,152戸・4面抜け・2021年築)が頭抜けた存在。スカイズ タワー&ガーデン・アーバンドック パークシティ豊洲も健在。ららぽーと・豊洲市場・大学病院が揃う生活完結エリア。長期譲渡タイミングの売り物が注目。

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地名の由来

1937年(昭和12年)7月15日、東京港湾局が職員向けに懸賞付きで名前を公募し「豊洲」に決定。「豊かな州(洲)となるように」という願いが込められている。それまでは「5号地」という無味乾燥な番号で呼ばれていた。なお、1923年の関東大震災で出た膨大な瓦礫の処理先としても豊洲・東雲エリアが使われており、東京の歴史が文字通り地中に埋まっている場所でもある。

⛩ 神社仏閣

富岡八幡宮(江東区富岡1丁目)・豊受稲荷神社

富岡八幡宮(1627年・寛永4年創建)は「江戸最大の八幡宮」。江戸三大祭の一つ「深川八幡祭り」は3年に一度、37基の神輿が練り歩く壮観。豊受稲荷神社は豊洲の鎮守社で、タワーマンション群の中でも地元の氏子が祭礼を守り続けている。

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ARIAKE / 有明

PAST / 昭和29年命名〜平成初期

ゴルフ場・飛行場・空白地帯

東雲ゴルフ場(1952〜1981年)・東雲飛行場(〜1980年)が存在した。90年代は工場・倉庫・貯木場が広がる東京の「近未来の空白地帯」。ゆりかもめ開通(1995年)・東京ビッグサイト開業(1996年)が街の転換点。住宅化はブリリアマーレ有明(2008年竣工)から。

有明 ARIAKE

NOW / 2020年代

五輪レガシーと未来の可能性

シティタワーズ東京ベイ(3棟・2019〜20年築・計1,539戸)が築浅の軸。ブリリアマーレ有明(2008年築)は築17年超でも人気継続。有明ガーデン・有明アリーナが五輪レガシーに。臨海地下鉄(2040年頃目標)が実現すれば評価が根本から変わる。

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地名の由来

「有明の月」——夜が明けても空に残る月——から取られた詩的な命名。1954年(昭和29年)に「深川有明町」と命名され、1968年に「有明」となった。隣接する「東雲(しののめ)」(明け方にたなびく雲)とともに、朝の情景を表す言葉として対をなしている。埋立地の地名がこれほど詩的なのは、湾岸エリアでも有明だけである。

⛩ 神社仏閣

富岡八幡宮(最寄の古社)

有明には古くからの神社が存在しない。近代に人工的に造られた埋立地である以上、これは必然的な結果。最寄りの古社は富岡八幡宮(1627年創建)。有明テニスの森・有明ガーデン・有明親水海浜公園(2022年開園)が、新しい時代の「この街の精神的な場所」として機能し始めている。古社なき街に、新しい記憶が積み重なっていく。

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SUMMARY / 3回シリーズ総括

湾岸9エリアの地名と記憶

CHIMEI SERIES COMPLETE / 全3回

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芝浦

芝の浦(海岸)。室町時代1486年から記録あり。

漁場→東芝工場→ジュリアナ東京→タワー

⛩ 御田八幡神社(709年創建)

浜松町

静岡・浜松出身の名主に由来(1696年)。

東海道宿場→世界貿易センター→再開発中

⛩ 増上寺・芝大神宮・芝東照宮

浜離宮

徳川将軍家の浜御殿(1654年)→皇室離宮。

将軍の鴨場・潮干狩り→都立庭園(1945年)

⛩ 鴨場(遺構)が今も現存

三田

由来は今も諸説。鎌倉時代から記録あり。

大名屋敷→慶應義塾→旧田町電車区→再開発

⛩ 御田八幡神社・済海寺(初のフランス領事館)

月島

築きたる島→つきしま→月島(明治24年造成)。

工場・路面電車→もんじゃ下町→タワー共存

⛩ 住吉神社(佃・1646年創建)

大阪・佃村の漁師が故郷の名を付けた(1645年)。

漁師の島→佃煮発祥→IHI工場→リバーシティ21

⛩ 住吉神社(佃・1646年創建)

勝どき

日露戦争・旅順陥落の「勝鬨」から(1905年)。

工場・倉庫→大江戸線開通(2000年)→再開発

⛩ 住吉神社・勝鬨の渡し碑(1905年)

晴海

幻の万博(1940年)のために「晴れ渡る海」と命名。

埠頭・工場→五輪選手村→晴海フラッグ

⛩ 住吉神社(佃)が氏子区域を拡大

豊洲

公募で「豊かな州に」の願いを込めて命名(1937年)。

5号地→IHI造船所→再開発(2003年〜)

⛩ 富岡八幡宮(1627年)・豊受稲荷神社

有明

「有明の月」(夜明けに残る月)から(1954年命名)。

ゴルフ場・飛行場→ビッグサイト→五輪→タワー

⛩ 富岡八幡宮(最寄の古社。有明に古社なし)

地名には、街の記憶が刻まれています。

芝浦は中世からの漁場。浜松町は静岡出身の名主の故郷。浜離宮は将軍が鴨を撃ちに来た庭。三田は鎌倉時代から続く謎の名前。月島は明治に築かれた人工島。佃は大阪の漁師が江戸に持ち込んだ地名。勝どきは日露戦争の歓声。晴海は幻の万博の記憶。豊洲は公募で選ばれた希望の名前。有明は夜明けの月。

今タワーマンションが建ち並ぶこのエリアは、100年前に海だった場所であり、50年前に工場だった場所であり、30年前に誰も住んでいなかった場所です。

物件を選ぶとき、その名前の由来を知っていると、住むことへの愛着がひと味変わってくるはずです。

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3回シリーズをお読みいただきありがとうございました。
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