都内で地価が相対的に割安なエリアはどこか? ——公示地価データから読み解く「買い場」の論理 株式会社blueblooded

東京23区の地価は、令和8年(2026年)公示地価ベースで平均148万円/㎡(坪換算:約489万円)と、前年比+8.4%の上昇を記録した。都心部に限れば中央区が1,003万円/㎡を超え、バブル期の水準を大きく塗り替えつつある。 

 こうした相場環境の中、「割安なエリア」を探すことは年々難しくなっているのは事実だ。しかし、データを精緻に読み解けば、**交通インフラや生活利便性に対してまだ価格が追いついていないエリア**は、23区内にも確かに存在する。 

 本稿では公示地価・基準地価の最新データをベースに、相対的な割安感の残るエリアを分析する。 
 ----- ## 前提:「割安」をどう定義するか 「割安」には2つの軸がある。 
 **①絶対値としての安さ**——単純に坪単価が低いエリア。 
 **②利便性対比の割安感**——都心へのアクセス・生活利便性に比較して、まだ価格が反映されていないエリア。 
 実需(居住用)の検討者には①が重要な場合が多い。一方、投資家・法人にとっては②の視点——すなわち「今後、価格修正が起きる余地があるか」——の方が本質的な指標になる。以下では、この両面から各エリアを分析する。 
 ----- ## 23区内の坪単価マップ(2025年基準地価・住宅地平均) まず現状の地価水準を俯瞰する。 
 |区 |住宅地・坪単価(概算) |前年比変動率 | 
|------------|-------------|-------| 
|中央区・千代田区・港区 |800万〜1,900万円超|+12〜17%| 
|渋谷区・新宿区・文京区 |400万〜900万円 |+10〜16%| 
|品川区・目黒区・豊島区 |250万〜400万円 |+11〜15%| 
|墨田区・江東区・北区 |200万〜280万円 |+10〜14%| 
|板橋区・荒川区・杉並区 |160万〜230万円 |+7〜12% | 
|足立区・葛飾区・江戸川区|120万〜160万円 |+6〜11% | 
 *出典:令和7年地価公示(国土交通省)・東京都基準地価* 

 23区の平均が約253万円/坪(住宅地)であることを基準にすると、坪200万円以下のエリアはまだ「平均以下」の価格帯に位置している。 
 ----- ## 注目エリア① 足立区(北千住・綾瀬周辺) **平均坪単価:約128万円(区平均)/ 北千住エリアは約203万円** 足立区は23区で坪単価が下から2番目の水準だが、エリア内の格差が非常に大きい。注目すべきは**北千住**だ。5路線が乗り入れるターミナル駅として、上野・秋葉原まで10分前後という交通利便性を持ちながら、坪単価は203万円台にとどまる。品川区の下位エリアや荒川区と比較しても、アクセス対比での割安感は明確だ。 また、綾瀬エリアは大手町まで約20分圏内でありながら、近年まで「足立区」というブランドイメージの影響を受けて過小評価されてきた。直近5年で+20.8%の価格上昇を記録しており、市場は徐々にこの乖離を修正しつつある。 
 **評価ポイント**:既存の生活インフラ(商業・医療・教育)が充実している点は、再開発頼みのエリアとは質が異なる。インフラが「これから整う」のではなく「既に整っている」のに割安——これは実需・投資の双方にとって安定した選択肢となる。 

 ----- ## 注目エリア② 葛飾区(亀有・金町周辺) **平均坪単価:約130万円(区平均)** 葛飾区は23区で最も坪単価が低い区の一つだが、個別エリアで見ると内実は多様だ。亀有は常磐線快速利用で上野まで約17分、金町はJR・京成の2路線が使え、利便性は高い。坪130万円前後は、同等アクセスを持つ他区と比べて明らかに低い。 ハザードマップ上の浸水リスクが地価を抑制している側面は否定できない。ただし、具体的な物件ごとに地盤・階数・建物仕様を確認すれば、リスクを合理的に管理しながら価格的優位を享受することは十分可能だ。 

 ----- ## 注目エリア③ 板橋区(十条・板橋本町周辺) **平均坪単価:約168万円(住宅地)** 板橋区は23区内でも注目度が上がりにくいエリアだが、十条は埼京線で池袋まで8分、東京有数の活気を持つ**十条銀座商店街**を中心に、生活インフラが完成している。坪200万円前後という価格は、同等の利便性を持つ豊島区・北区と比べて割安だ。 板橋区の直近5年変動率は+23.8%と、着実な上昇を記録している。「派手さはないが、下がりにくい」という特性は、ミニバブル的な振れ幅を避けたい実需層・長期保有投資家双方にとってポジティブな特性だ。 

 ----- ## 注目エリア④ 江東区(有明・東雲・辰巳周辺) **江東区最低価格地点:有明3丁目 37.1万円/㎡(約123万円/坪)** 湾岸エリアはイメージとして「高い」と受け取られがちだが、江東区内でも有明・辰巳・新木場エリアの公示地価は豊洲・東雲と比べて大きく低い。有明は2024年のアリーナ竣工で注目が高まり、将来の再開発余地も含め、「今が仕込み時」と見る向きがある。 ゆりかもめ・りんかい線のダブルアクセスで都心直結にもかかわらず、新木場エリアでは坪45万円台の地点も存在する。エリアとしての成熟度はこれからであり、長期目線での仕込みとして検討価値がある。 

 ----- ## 投資家視点のまとめ:「価格修正が起きる余地」を読む 不動産の価格修正は主に3つの要因で起きる。 1. **再開発・新駅開業による物理的アクセス向上** 1. **マンション価格高騰を背景にした割安感の見直し** 1. **ブランドイメージの改善**(「足立区」→「北千住」化) 現在、都心一等地の価格高騰によって資金が外縁部へ流入する「価格修正の波」は、明確に23区の周縁部へ広がっている。坪200万円以下のエリアが「まだ安い」と言えるフェーズは、データを見る限り残り少ない可能性が高い。 

 ----- ## blueblooded からのコメント 弊社は港区・芝浦エリアを拠点に、湾岸タワーマンションの売買・賃貸・投資サポートを専門としていますが、クライアントの皆さまから「今から東京で買うとしたらどこか?」という相談を頻繁にいただきます。 データが示すのは、「割安なエリア」はまだ存在するが、「誰でも分かる割安さ」はもはやない、ということです。エリアの特性・ハザードリスク・個別物件の仕様を組み合わせた多角的な判断が求められる局面になっています。 物件選びのご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。 

 ----- *参考データ出典:国土交通省「令和7年・令和8年地価公示」、東京都財務局「令和7年東京都基準地価格」、国土交通省不動産取引価格情報* 

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