
予算内で良い家を見つけるには|「予算が足りない」と思ったときの7つの見方
インテリスタの不動産論|第三弾
予算内で良い家を見つけるには|「予算が足りない」と思ったときの7つの見方
※ここで言うインテルは、イタリア・ミラノのサッカークラブ「FCインテルナツィオナーレ・ミラノ」(Inter Milan)。半導体メーカーのIntel(インテル)とは別物である。
お客様のほとんどには、予算に限りがある。
マッシモ・モラッティのようなオイルマネーを持つお客様には、この仕事をしていて一度も会ったことがない。
「あと少し出せたら。」
「この予算では難しいですよね。」
そういう言葉を、何度聞いただろう。それが現実だ。
でも私が気にしているのは、予算が足りるかどうかではない。予算内で、いかに良い物件を見つけるか。そこである。
先に結論。予算を上げる前に、条件の「重さ」を見直す。
① 絶対に譲れない条件を2〜3個に絞る ② エリア・駅・築年数・広さ・棟・階数・向きのうち、どれを動かせるか確かめる ③ 実際に歩いて、数字に出ない良さを探す。
一番高い物件が、その人に一番合う物件とは限らない。
第一弾では、金を使い続けたモラッティの話を書いた。第二弾では、金がなくなった後に目利きで戦うジュゼッペ・マロッタの話を書いた。そして第三弾。この話は、不動産につながる。
「予算が足りない」で終わらせない|最初にやること
まず、希望を全部書き出す。駅に近い。広い。新しい。眺望がいい。静か。学校が近い。駐車場がある。
次に、その中から「これが欠けたら住めない」というものだけに印をつける。多くの場合、本当に譲れない条件は2つか3つだ。残りは「あったら嬉しい」条件である。
お客様が「絶対に譲れないもの」と「実は譲れるもの」を、もう一度一緒に整理する。この仕分けをしないまま探すと、全部を満たす物件を探すことになり、予算はいつまでも足りない。
同じ予算でも、発想を変えれば見える物件が変わる。諦めるのは、本当に全部やり切ってからでいいと思っている。
予算内で良い物件を見つける、7つの見方
| 条件 | 動かし方 | 確かめたいこと |
|---|---|---|
| エリア | 人気の街から一駅ずらす。同じ路線の一つ先を見る | 街の雰囲気、夜の帰り道は実際に歩く |
| 駅 | 最寄り駅を変える。2路線使える駅を探す | 通勤時間は、乗り換えまで含めて比べる |
| 駅からの距離 | 徒歩3分→10分で、選べる物件が大きく増える | 坂、信号、夜の明るさで体感は変わる |
| 築年数 | 築浅にこだわらず、管理の良い中古を見る | 修繕の履歴、修繕積立金、管理の状態 |
| 広さ・間取り | 部屋数より、使い方で考える | 収納と家具の置き方で、同じ広さでも差が出る |
| 棟・階数・向き | 同じマンションでも、棟、階数、向きを変える | 時間帯を変えて、光と音を確かめる |
| 建物の種類 | タワーにこだわらず、低層・中層も見る | 静けさ、エレベーター、災害時の動きやすさ |
どれか一つを動かすだけで、候補が一気に広がることがある。全部を少しずつ譲る必要はない。
一番高い物件が、一番良い物件ではない
予算が多ければ、選択肢は増える。新しい。広い。駅に近い。眺望がいい。有名なマンション。全部を重ねれば、当然価格は上がる。
でも、そのお客様にとって本当に必要なものが、全部そこにあるとは限らない。
駅徒歩3分より、10分でも広い方がいい人がいる。
築浅より、管理の良い築年数の経ったマンションが好きな人もいる。
有名なタワーマンションより、静かな低層マンションの方が合う人もいる。
人気がある物件と、その人に合う物件は同じではない。
マロッタなら、どう探すだろう
マロッタが限られた予算で、誰も気づいていない選手の価値を探すように。
私は限られた予算で、まだ見落とされている物件の可能性を探す。
もちろん、サッカーの移籍市場と不動産は同じではない。でも、一番高いものを買えばいいわけではないところは、少し似ている。
今の条件に必要なのは何か。何を残すべきか。何なら変えられるのか。そこを見る。
何十件も歩く|数字に出ない良さを探す
何十件も物件を見ることがある。同じ街を何度も歩くこともある。
朝と夜で歩く。駅から物件まで歩く。車を停めてみる。内見する。家具を置いたところを想像する。音を聞く。眺望を見る。坂を見る。
お客様が言葉にできていない「本当に欲しいもの」を、会話の中から拾う。「静かなところがいい」の中身が、夜の静けさなのか、朝の静けさなのか。そこまで分かると、探す場所が変わる。
それでも見つからない夜がある。それでも粘る。
内見でどこを見るかは、内見では何を見るのか|物件比較の考え方にまとめている。
予算だけでは決まらない
モラッティは金で夢を買おうとした。それは間違いではなかった。ロナウド(ロナウド・ルイス・ナザーリオ・ジ・リマ)が来た。ロベルト・バッジョが来た。クリスティアン・ビエリが来た。スタジアムは夢を見た。
でも最後に三冠を獲ったのは、金だけではなかった。ジョゼ・モウリーニョの戦術。選手の組み合わせ。そして、あのチームの執念。
不動産も少し似ている。
予算が多ければ良い家に住める、は半分しか正しくない。
限られた条件の中で、何を大切にするのか。そこを一緒に考えた先に、「この家でよかった」という感情が生まれる。
ニコロ・バレッラは前から失い、私は色を失った
バレッラは、今日も走っている。削られても立つ。また走る。その結果なのかどうかは知らないが、前髪は少しずつ後退している。
私もインテルを応援し続け、髪が白くなった。
バレッラは前から失い、私は色を失った。
老い方の向きは違うが、やっていることは似ている。彼はピッチで走る。私は物件を探す。
白髪になって、不動産をやっている
ロナウドとバッジョに恋をした。モラッティの無謀な夢に付き合った。カルチョポリに怒った。2010年の三冠の夜に泣いた。セリエAの浮き沈みを見届けた。それでもインテルを応援し続けた。
そして今、白髪になって田町・芝浦で不動産をやっている。
振り返ると、昔から好きだったのは、華やかな結果だけではなかったのかもしれない。
限られた条件の中で、どうにか答えを探そうとする人たちが好きだった。だから、不動産でも同じことをしている。
「この人に頼んでよかった」
最後に欲しいのは、それだけだ。
高い物件を買ってもらうことでもない。何十件契約することでもない。
「この人に頼んでよかった。」その一言のために、今日も物件を探す。
まだ物件が決まっていなくても、構わない。予算、場所、広さ、仕事、家族、これからのこと。条件が全部まとまってからではなく、迷っているところから聞かせてほしい。物件を探す前に、何を大切にするかを一緒に整理する。
田町・芝浦の物件は田町の不動産・マンション、芝浦の不動産・マンション、湾岸は湾岸タワーマンションガイドにまとめている。
不動産の話を、もう少し
内見では何を見るのか|物件比較の考え方 → 戸建てを買う前に見ること → 東京23区の中古マンション価格は下落する? → 田町の不動産・マンションガイド → 芝浦の不動産・マンションガイド → 湾岸タワーマンション徹底ガイド → そのまま決める前に|不動産セカンドオピニオン →※条件の見直し方は一般的な考え方です。実際の物件では、建物の状態、管理、周辺環境、資金計画を個別に確認します。