
インテリスタの不動産論 第三弾|白髪のインテリスタが今日も物件を探す―限られた予算で、最後まで探す
インテリスタの不動産論 第三弾|白髪のインテリスタが今日も物件を探す
お客様のほとんどには、予算に限りがある。
モラッティのようなオイルマネーを持つお客様には、この仕事をしていて一度も会ったことがない。
「あと少し出せたら。」
「この予算では難しいですよね。」
そういう言葉を、何度聞いただろう。
それが現実だ。
第一弾では、金を使い続けたモラッティの話を書いた。
第二弾では、金がなくなった後に目利きで戦うマロッタの話を書いた。
そして第三弾。
この話は、不動産につながる。
「予算が足りない」で終わらせない
エリアをずらせないか。
駅を一つ変えられないか。
築年数の見方を変えられないか。
広さを少し変えれば、もっと違う物件が見えてこないか。
同じマンションでも、棟、階数、向きを変えたらどうか。
お客様が「絶対に譲れないもの」と「実は譲れるもの」を、もう一度一緒に整理できないか。
同じ予算でも、発想を変えれば見える物件が変わる。
諦めるのは、本当に全部やり切ってからでいいと思っている。
一番高い物件が、一番良い物件ではない
予算が多ければ、選択肢は増える。
新しい。
広い。
駅に近い。
眺望がいい。
有名なマンション。
全部を重ねれば、当然価格は上がる。
でも、そのお客様にとって本当に必要なものが全部そこにあるとは限らない。
駅徒歩3分より、10分でも広い方がいい人がいる。
築浅より、管理の良い築年数の経ったマンションが好きな人もいる。
有名なタワーマンションより、静かな低層マンションの方が合う人もいる。
人気がある物件と、その人に合う物件は同じではない。
マロッタなら、どう探すだろう
マロッタが限られた予算で、誰も気づいていない選手の価値を探すように。
私は限られた予算で、まだ見落とされている物件の可能性を探す。
もちろん、サッカーの移籍市場と不動産は同じではない。
でも、一番高いものを買えばいいわけではないというところは、少し似ている。
今の条件に必要なのは何か。
何を残すべきか。
何なら変えられるのか。
そこを見る。
何十件も歩く
何十件も物件を見ることがある。
同じ街を何度も歩くこともある。
朝と夜で歩く。
駅から物件まで歩く。
車を停めてみる。
内見する。
家具を置いたところを想像する。
音を聞く。
眺望を見る。
坂を見る。
お客様が言葉にできていない「本当に欲しいもの」を、会話の中から拾う。
それでも見つからない夜がある。
それでも粘る。
予算だけでは決まらない
モラッティは金で夢を買おうとした。
それは間違いではなかった。
ロナウドが来た。
バッジョが来た。
ビエリが来た。
スタジアムは夢を見た。
でも最後に三冠を獲ったのは、金だけではなかった。
モウリーニョの戦術。
選手の組み合わせ。
そして、あのチームの執念。
不動産も少し似ている。
予算が多ければ良い家に住める、は半分しか正しくない。
限られた条件の中で、何を大切にするのか。
そこを一緒に考えた先に、
「この家でよかった」
という感情が生まれる。
バレッラは前から失い、私は色を失った
バレッラは、今日も走っている。
削られても立つ。
また走る。
その結果なのかどうかは知らないが、前髪は少しずつ後退している。
私もインテルを応援し続け、髪が白くなった。
バレッラは前から失い、私は色を失った。
老い方の向きは違うが、やっていることは似ている。
彼はピッチで走る。
私は物件を探す。
白髪になって、不動産をやっている
ロナウドとバッジョに恋をした。
モラッティの無謀な夢に付き合った。
カルチョボリに怒った。
2010年の三冠の夜に泣いた。
セリエAの浮き沈みを見届けた。
それでもインテルを応援し続けた。
そして今、白髪になって田町・芝浦で不動産をやっている。
振り返ると、昔から好きだったのは、華やかな結果だけではなかったのかもしれない。
限られた条件の中で、どうにか答えを探そうとする人たちが好きだった。
だから、不動産でも同じことをしている。
「この人に頼んでよかった」
最後に欲しいのは、それだけだ。
高い物件を買ってもらうことでもない。
何十件契約することでもない。
「この人に頼んでよかった。」
その一言のために、今日も物件を探す。
そして第四弾へ
マロッタの戦いは、まだ続いている。
スクデットを獲った後も、補強は簡単には進まなかった。
ところが市場の終盤。
ジョン・ストーンズ。
ジェド・スペンス。
カーティス・ジョーンズ。
最後にプレミアから3人が来た。
そして、ピオ・エスポージト、アレクサンダル・スタンコヴィッチ、レオナルド・ボヴィオ。
勝手に期待している、インテル若手三羽烏もいる。
白髪のインテリスタの話は、まだ終わらない。