
大局を、冷静に 下がるのを、待つ前に。
代表 松村より / 大局を、冷静に
下がるのを、待つ前に。
今日、長いお付き合いのお客様から、こんなご相談がありました。「不動産が下がったら、買いたい。親からの援助の非課税枠も使えるうちに使いたい」と。堅実で、よく考えられたお考えです。ですが、大局を一つ、お話ししました。「下がるのを待つ」という戦略は、以前ほど、効きにくくなっているかもしれません、と。
危機からの回復が、速くなっている
かつては、こういうパターンがありました。経済危機が起きる。資産が暴落する。金利が下がる。そして、不動産も安くなる——だから、危機を待って、安く買う。理にかなった戦略でした。
ですが、株価が危機から元の水準に戻るまでの時間が、年々、劇的に短くなっています。日本のバブル崩壊は、1989年末の高値を取り戻すのに、約34年かかりました。リーマン・ショックでは、米国の代表的な株価指数が、約5年。そしてコロナ・ショックは、2020年春に3割超も急落しながら、わずか半年ほどで下げを埋めています。この加速には、はっきりした理由があります。日本のバブル後の長い停滞を教訓に、各国の中央銀行(米国のFRBなど)が、デフレを恐れて「早め・大きめ」に動くようになったからです。素早い利下げと資金供給で、暴落を短期間で下支えする。落ちても、すぐに戻る時代になった、ということです。
金利低下は、むしろ価格を支える
そして、ここが大切なところです。危機のときに中央銀行が金利を下げると、その低い金利は、実は不動産の価格を支える方向に働きます。借りやすくなり、現金の価値が目減りし、実物にお金が向かうからです。かつて「危機→金利低下→不動産下落」だった連鎖が、いまは「危機→金利低下→不動産は下支え」に、向きを変えつつある。だから、危機が来ても、不動産が大きく、長く下がる局面は、以前より起きにくいと私は見ています。
つまり、「下がったら買う」と待ち続けても、下がらないまま時が過ぎるか、あるいは一瞬の下げをつかもうとして、結局つかめない——そういうことが、起こりやすくなっています。そのお客様には、「下がるのを待つより、いまの条件でじっくり選ぶほうが、結果的に良いこともあります」とお伝えしました。
もう一つ、税制の話です。父母や祖父母(直系尊属)から住宅取得の資金援助を受けるとき、贈与税が非課税になる特例があります。省エネ等住宅なら1,000万円まで、一般住宅なら500万円まで。毎年の基礎控除110万円と合わせれば、最大1,110万円までが非課税です。そして大切なのは期限です。この特例が使えるのは、いまのところ2026年(令和8年)12月31日までの贈与。2027年以降どうなるかは、今後の税制改正しだいで、まだ決まっていません。待つことには、待つなりのコストがある。下がるのを待っている間に、いま使える制度のほうが、先に終わってしまうかもしれません。(適用の可否や要件、床面積・所得などの条件は個別に異なりますので、必ず税理士等の専門家にご確認ください。)
もちろん、この先ぜったいに下がらない、と申し上げるつもりはありません。それは誰にも分かりません。地域差もあります。ただ、「危機を待てば安く買える」という前提だけは、いまの世界では、そろそろ見直してよいのだと思います。
大切なのは、思い込みではなく、大局と数字で見ることです。ご自分のご希望のエリアと条件で、いま何が最善か。ご一緒に、考えるところから。
ご相談は、ひとことから。
「待つべきか、動くべきか」も、ご一緒に。匿名でも、他社で進めているお話でも承ります。どうぞ、お考えがまとまってから、いつでも。
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株式会社 blueblooded / 田町・芝浦 代表 松村健一
対応エリア:田町・芝浦・三田・港区・品川・中央区/湾岸エリア(勝どき・晴海・豊洲・有明・月島・浜松町)を中心に、一都三県・全国対応。
※本稿は筆者個人の見解であり、特定の投資・取引・税務上の判断を推奨するものではありません。将来の価格や制度を保証するものではなく、税制の適用等は税理士等の専門家に、ご判断はご自身の責任でお願いいたします。