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30年後も価値が残るタワーマンションは?都心・湾岸の実例から考える

市況と、投資の読み方

COLUMN | マンションと管理 第5回

30年後も価値が残る
タワーマンションとは?

東京・湾岸の実在マンションを見ながら考える。

連載「マンションと管理」全5回
第1回 マンションは何年住めるのか
第2回 修繕積立金が高いマンションは、本当に損なのか
第3回 管理費が高いタワーマンションは、将来売れなくなるのか
第4回 築30年・40年でも売れるマンション、売れなくなるマンション
▶ 第5回 30年後も価値が残るタワーマンションは?(この記事)
その先を考える|タワーマンション50年・70年・100年
第1回 タワーマンションは、最後どうなるのか。
第2回 築50年のタワーマンションは、何にお金がかかるのか。
第3回 築50年でも売れるタワマン、売れなくなるタワマン。
第4回 タワマンは100年後、「ヴィンテージ」になれるのか。

新しいマンションは、きれいです。 設備も新しい。共用部も華やか。 眺望やエントランスに惹かれることもあります。

でも、30年後。 その「新しさ」は、もうありません。

そのときにも、 「ここに住みたい」 「この建物がいい」 と思う人がいるでしょうか。

私は、長く持つマンションを見るとき、そこを考えます。

立地。規模感。共用部。作り込み。管理。駅距離。再開発。 そして何より、新しさがなくなったあとに、何が残るか。

今回は「将来値上がりするマンションランキング」ではありません。

実在する10棟を見ながら、 30年後にも「選ばれる理由」が残るマンションとは何かを考えてみます。

30 YEARS LATER

30年後も価値が残るか。
まず、交換できないものを見る。

設備や内装は交換できます。 けれど、駅との距離、土地、建物のスケール、街そのものは簡単には替えられません。 長く持つマンションほど、「いま何が新しいか」より、 「そのあとに何が残るか」を見たいと思っています。

01|立地

駅距離、都心へのアクセス、雇用、商業、教育、医療。 建物は歳を取ります。でも、良い場所まで歳を取るわけではありません。

02|土地と敷地

敷地の広さ、水辺、公園との距離、周囲との離隔。 専有部はつくり直せても、土地の余白は後から足せません。

03|規模と代替しにくさ

大規模街区、駅直結、広い庭、特徴のある共用空間。 30年後にも「同じものを、もう一度つくれるだろうか」と考えてみます。

04|地盤と構造

「湾岸だから」「内陸だから」で終わらせません。 地盤の成り立ち、支持層、杭、RC・SRC・S造、耐震・制震・免震。 見えないところほど、資料を読みます。

05|管理と修繕

築年数以上に差が出るところです。 修繕積立金の額だけではなく、長期修繕計画、積立残高、工事履歴、設備更新まで見ます。

06|街が必要とされ続けるか

人が住む。働く。食べる。買い物をする。 その循環が30年後にも続いているか。 再開発は、単なる値上がり材料ではありません。

07|古くなっても、格好いいか

素材。空間。眺望。佇まい。建物の名前。 新しさを失ったあとにも、それでも「この建物が好きだ」と思えるものがあるか。 そこに、単に古いマンションと、ヴィンテージになっていくマンションの違いが現れるのかもしれません。

7つすべてが満点である必要はありません。 大切なのは、30年後にも、そのマンションを選ぶ理由を言葉にできるか。 では、実際の10棟を見てみます。

01

センチュリーパークタワー

古くなってきたのに、むしろ格好よく見える。

1999年竣工・佃/月島。 築年数だけを見れば、すでに新しいマンションではありません。

ところが実際に建物を見ると、 「古いタワーマンション」の一言では片づけにくいものがあります。 まず、規模感。 そして石を意識した内装や、重さのある共用空間。 新築の華やかさとは違う、時間を経た建物だけが持つ落ち着きが出始めています。

もちろん、建設当時につくられた共用施設のすべてが、 これから先も必要とは限りません。 カードルームなどを見ると、その時代の高級住宅に求められていた豊かさを感じます。

それでも、素材、空間、規模感まで古くなるわけではない。 センチュリーパークタワーは、 「古くなること」と「魅力を失うこと」は同じではない。 それをすでに見せ始めているマンションだと思います。

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02

東京ツインパークス

新しい高級タワーが周りに建っても、存在感が薄れない。

2002年竣工・汐留/浜松町。 浜松町、汐留、新橋に近く、浜離宮に隣接する立地。 二棟でつくられる景観。 エントランスや共用空間の作り込み。 そして建物そのもののスケール。

周辺には、その後さらに新しい高級タワーマンションが建ちました。 それでも東京ツインパークスを見ると、 「新しい=上位」とは簡単に言えない存在感があります。

設備は古くなります。内装も替わります。 でも、浜離宮との位置関係や、二棟でつくる景観、建物の骨格は残る。 新しさではなく、その建物でなければ得られないものがある。 それは30年、40年と時間が経ったとき、 思っている以上に大きな価値になるのかもしれません。

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03

芝浦アイランド

新しいライバルができたからこそ、本当の価値が見えてくる。

田町。 ケープタワー1,095戸、グローヴタワー833戸を中心とする大規模開発です。

芝浦アイランドの魅力を一棟だけで考えると、少し見誤る気がします。 水辺、緑、住宅、商業。 街区そのものが一つの住宅地としてつくられている。 この規模感は、今でも大きな特徴です。

一方、芝浦にはその後、 ブランズタワー芝浦、プラウドタワー芝浦という新しい選択肢が加わりました。 新しさ。駅への距離。 いま比較すれば、新しい2棟には分かりやすい魅力があります。

でも20年後。 その頃には、「新しい」という差はかなり小さくなっています。 そこで改めて問われるのが、芝浦アイランドという街そのものの価値です。 新旧の差が縮まったあと、何が残るのか。 この比較は、これからの芝浦を見るうえでかなり面白いと思っています。

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ブランズ/プラウド芝浦もあわせて見る

04

キャピタルゲートプレイス

30年たっても、月島駅直結は月島駅直結です。

月島。このマンションの強さは、非常に分かりやすい。

設備は古くなります。 専有部はリフォームできます。 でも、駅との距離は変わりません。 しかも月島駅直結。 こういう価値は、時間に強い。

さらに、低層のレジデンス棟まで含めれば、 開発全体として十分な規模があります。

私が好きなのは、共用部の雰囲気です。 照明を少し落とし、派手に明るく見せるのではなく、 落ち着いた空間に仕上げている。 流行を強く追ったデザインより、 こうした空間の方が時間に耐える可能性があります。 さらに月島・勝どきでは街そのものの更新が続いています。 駅直結と街の成長。 30年後を考えても、かなり分かりやすく残る二つの価値です。

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05

パークタワー勝どき

いま一番の魅力である「新しさ」を、あえて消してみる。

勝どき。まだ新しいマンションです。 だからこそ、私は頭の中で一度「新しい」という価値を消して見てみます。

30年後。 設備はもう最新ではありません。 共用部にも時間が刻まれています。 そのとき、何が残るでしょうか。

勝どきの大規模再開発。 駅。水辺。街区そのものの規模。 そして今後、街区全体が完成していくことで形成される景観。 一つのマンションというより、一つの街として認識される可能性があります。

一方で、現在の現代的な共用空間が30年後にどう見えるのか。 センチュリーパークタワーや東京ツインパークスのように「味」になるのか。 それはまだ誰にも分かりません。 答えが出ていない。 だからこそ、これから時間と一緒に見ていきたいマンションです。

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A MOMENT TO THINK

ここで、一度。

いま気になっているマンションを、ひとつ思い浮かべてみてください。 新しいから惹かれているのか。 駅に近いからなのか。 眺望なのか。 共用部なのか。 街なのか。 あるいは、理由はうまく言えないけれど、なんとなく好きなのか。

その「なんとなく」の中にも、選ぶ理由が隠れていることがあります。 新しさを一度消してみると、違うものが見えてきます。

物件名かURLがあれば、その一件から見ていけます。

そのマンションのこと、聞かせてください。 →
06

アーバンドック パークシティ豊洲

これは、後から買い足せないものが多い。

豊洲。 アーバンドック パークシティ豊洲を歩くと、 一般的なタワーマンションとは少し違う感覚があります。

まず、敷地が大きい。 緑がある。 水辺がある。 そして、ららぽーと豊洲との一体性があります。

地下ルートはそれなりに歩きますが、 駅から雨に濡れにくい動線で帰宅できるのも特徴です。

私が面白いと思うのは、「建物」だけでは説明しきれないところです。 大きな公園の中に住宅があるような余白。 都心の低層高級マンションにも少し通じる、敷地そのものの落ち着き。 専有部の設備は替えられても、 この敷地、この規模、この余白、水辺、ららぽーととの関係は替えられません。

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07

ブランズタワー豊洲

「新しい」を消しても、まだかなり残る。

豊洲。いまは当然、新しさが大きな魅力です。 でも、それだけで見てしまうのは少しもったいない。

まずエントランス。 吹き抜けによる、空間そのものの大きさがあります。 「新しいからきれい」なのではなく、そもそもの骨格が大きい。

そして立地。 豊洲駅と新豊洲の間。 水辺にも近く、周囲との距離がある。 方向によっては広い抜けを期待できます。 さらに周辺には、これから変わる余地も残されています。

駅。水辺。規模。眺望。街。 新しさを一度消してみても、残るものが多い。 長く持つマンションを見るとき、これはかなり大切なことだと思います。

豊洲エリアのマンションと街のなりたちを見る

08

Wコンフォートタワーズ

大きいことは、時間が経ってから効いてくることがある。

東雲。 Wコンフォートタワーズには、まず分かりやすい規模感があります。

東雲の大規模マンション群の中でも、辰巳駅へのアクセスは比較的良い。 実際に歩けば、橋の上で湾岸特有の強い風を感じる日もあります。 こういうところは、地図だけでは分かりません。

それでも、駅距離、戸数、規模という明確な特徴がある。 一方、近くのパークタワー東雲は共用空間を丁寧につくり込む。 圧倒的な規模を取るか。 共用部の魅力を取るか。 同じ東雲でも、残そうとしている価値が違います。

東雲エリアのマンションと街を見る

09

ブリリアマーレ有明

共用部が「設備」ではなく、「このマンションに住む理由」になった。

有明。 駅距離、規模、築年数。 数字だけを並べれば、すべてが圧倒的なマンションではありません。 それでも、選ばれる。

その理由の一つが、共用部だと思います。 単に施設数が多いという話ではありません。 「ここに住みたい」と思わせる世界観を、 共用部まで含めてつくっている。

管理費のかかる共用部は、本当に無駄なのか。 その問いに対して、ブリリアマーレ有明は一つの答えを見せています。 きちんと使われ、建物の個性になり、それを目当てに選ぶ人がいる。 そこまでいけば、共用部は単なるコストではなく、 マンションのブランドになります。

有明エリアのマンションとこれからを見る

10

シティタワーズ東京ベイ

マンションだけでなく、街と一緒に見る。

有明。 大規模。新しい。駅に近い。商業施設と一体。 条件だけを並べれば、非常に強いマンションです。

それでも、竣工時期には新型コロナ禍が重なり、 販売環境として難しい時期を経験しました。 ここから分かるのは、新しいだけで価値が決まるわけではないということです。

一方、その後の有明は変わってきました。 有明ガーデン。国際展示場。イベント施設。ホテル。交通環境。 街の完成度が上がれば、マンションを見る目も変わります。 ブリリアマーレ有明が共用部からマンション独自のブランドをつくったとすれば、 シティタワーズ東京ベイは街との一体性によって価値をつくっていくタイプ。 同じ有明でも、時間の味方につけ方が違います。

有明エリアのマンションとこれからを見る

比べてみると、「古くならないもの」が見えてくる。

10棟を見てきました。 面白いのは、強い理由がそれぞれ違うことです。

センチュリーパークタワー/東京ツインパークス 時間が味になる作り込み
芝浦アイランド 街としての規模
キャピタルゲートプレイス 駅直結
パークタワー勝どき 完成していく巨大な街区
パークシティ豊洲 土地の余白と水辺
ブランズタワー豊洲 駅・水辺・規模・眺望・街
Wコンフォートタワーズ 大規模であることそのもの
ブリリアマーレ有明 共用部がつくったブランド
シティタワーズ東京ベイ 街と一緒に成長する可能性

強い理由は、一つでなくていい。 大切なのは、30年後にも、そのマンションを選ぶ理由が残っているか。

30年後を考えるなら、「新しさ」を一度消してみる。

新築や築浅のマンションを見ると、 新しいというだけで魅力的に見えます。

そこで私は、頭の中で一度、 「新しい」という価値を消してみます。

30年後なら、どちらも中古です。 そのとき、何が残るでしょう。

比較的残りやすいもの。

立地/駅距離/敷地/規模感/眺望/共用部の骨格/素材/街/ブランド/管理

反対に、いずれ失われるもの。

最新設備/新築時の内装/流行のデザイン/新しいという印象

だから、新しさがなくなった後にも、選ぶ理由があるか。 私はこれを、新築・中古を問わずマンションを見る一つの基準にしています。

ANOTHER POINT OF VIEW

マンションを、別の角度から見る。

30年後の価値を考えるとき、建物だけでは見えないものがあります。 一つのマンションを、違う角度から何度か見てみる。 すると、価格表や間取り図だけでは分からなかったものが少しずつ見えてきます。

では、その先。50年、70年、100年後はどうなるのか。

30年後にも価値が残る。 では、その先はどうでしょう。 50年。70年。100年。

コンクリートや鉄骨は、 築年数だけで突然寿命を迎えるものではありません。 劣化を調べ、補修し、防水をやり直し、 設備を交換しながら使い続けることができます。

すると長い時間の先で問題になるのは、 「技術的に直せるか」だけではなくなります。

その建物に、お金をかけて直し続ける価値が残っているか。

ここから先は、 建物の物理的な寿命と、マンションの経済的な寿命。 二つを分けて考える必要があります。

50・70・100 YEARS LATER
30年後、そのさらに先へ。

ここからは「マンション100年シリーズ」で、 構造・修繕・価値・ヴィンテージという4つの角度からさらに考えていきます。

マンションがこれから50年、70年と使われるようになるなら、 日本でも「単に古いマンション」と 「ヴィンテージとして評価されるマンション」の差は、 もっとはっきりしてくると思います。

その差をつくるのは、築年数だけではありません。

立地 × 規模感 × 作り込み × 管理 × 街 × 時間。

マンションを買うということは、 今の部屋だけを買うことではない。 その建物が30年後に、どんな顔をしているのか。 そこまで想像してみる。

長く所有するマンションほど、 私はそんな選び方をしたいと思っています。

参考
各マンションの戸数・竣工等は分譲・流通各社公表資料を参照 (芝浦アイランド ケープタワー1,095戸/グローヴタワー833戸 等)。 本記事は将来の価格を保証するものではなく、筆者の見方を述べたものです。
FROM HERE
湾岸のマンションを、もう少し見てみる。
田町・芝浦から、勝どき・晴海・豊洲・有明・東雲まで。 街と棟、それぞれの違いをまとめています。

30年後の話を、いま見ている一件へ。

ここまで10棟を見てきました。 でも、本当に知りたいのはランキングではないはずです。 いま自分が気になっているマンションは、どうなのか。 そこだと思います。

駅に近い。 眺望がいい。 共用部が好き。 価格に惹かれている。 あるいは、理由は説明できないけれど、なぜか気になる。

その一件を、立地、地盤、規模、管理、修繕、街、そして時間。 同じ視点で見てみます。 良いところは、良い。 気になるところがあれば、その理由まで。

「このマンション、どう思いますか?」
その一言から、お話は始められます。

そのマンションのこと、聞かせてください。

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オンライン(Zoom・LINE・FaceTime・Teams)で完結できます。 海外から、時差に合わせても。 お会いしてのお話は、ご希望のときに。

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