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告知事項とは?告知書・物件状況報告書・設備表で何を見る?宅建士が解説

宅建業法・ガイドライン

告知事項・告知書・物件状況報告書・設備表・インスペクション・契約不適合責任|売買・賃貸|契約前の確認

告知事項とは?|告知書・物件状況報告書・設備表で確認したいこと

不動産情報を見ていると、 「告知事項あり」 という記載を目にすることがあります。

すると、 「事故物件なのか?」 と思われる方もいるかもしれません。

しかし、 告知事項=事故物件ではありません。

不動産には、 人の死に関すること以外にも、 買主や借主が 契約する前に確認しておきたいことがあります。

雨漏り。

漏水。

シロアリ。

設備の不具合。

境界・越境。

浸水。

過去の修繕。

近隣との取り決め。

そして、 人の死や事件・事故に関すること。

売買では、 告知書・物件状況報告書・物件状況確認書 などの名称で、 売主が把握している物件の状態を 買主へ伝えるための書類が使われることがあります。

中古住宅なら、 設備表も重要です。

ただし、 書式や名称は取引によって異なり、 すべての物件に 同じ書類が用意されているわけではありません。

大切なのは、書類の名前ではありません。

その物件について何が分かっていて、
その状態を、どのような条件で契約するのか。

弊社では、 そこまでつなげて確認します。

1|「告知事項あり」と書いてあったら、まず何を見る?

最初に知っておきたいのは、 「告知事項あり」という言葉だけでは、 その内容までは分からない ということです。

人の死に関することかもしれません。

建物の不具合かもしれません。

土地や境界に関することかもしれません。

近隣や周辺環境について、 伝えるべき事項がある場合もあります。

「告知事項あり」を見たら、
最初に確認するのは 「何を告知しているのか」です。

告知事項があるから悪い物件。

告知事項がないから問題のない物件。

そのように単純に分けるものではありません。

何があったのか。

現在はどうなっているのか。

修繕されているのか。

契約ではどう扱われるのか。

そこまで確認して、 初めて判断できます。

2|告知書・物件状況報告書とは何か

不動産売買では、 売主が把握している土地や建物の状況について、 告知書・物件状況報告書・物件状況確認書 などを使って買主へ伝えることがあります。

これは、 重要事項説明書とは少し役割が違います。

重要事項説明書は、 宅地建物取引業者が 取引判断に重要な事項を説明するためのものです。

一方、 告知書や物件状況報告書では、

「この物件について、売主が何を把握しているのか」

を確認します。

たとえば、

雨漏りや漏水。

シロアリ被害。

建物の不具合。

増改築。

修繕履歴。

境界・越境。

過去の浸水。

周辺環境について把握している事項。

売主や所有者だからこそ 知っている履歴があることもあります。

3|告知書がない物件もあります

ここは、 実際の取引では意外と重要です。

すべての売買で、 同じ形式の告知書や物件状況報告書が 必ず用意されているわけではありません。

書類の名称や内容も、 使用する書式によって異なります。

「告知書がないから、確認できない」
でもない。

「告知書がないから、何もない」
でもありません。

売主側から どのような情報が提供されているのか。

重要事項説明書には何が書かれているのか。

契約書ではどう扱われるのか。

設備表はあるのか。

マンションなら、 管理関係資料に関連する記録はないか。

現地で確認できることはないか。

必要に応じて、 確認できる資料を重ねて見ていきます。

4|中古住宅では「設備表」も大切です

中古マンションや中古戸建を購入するとき、 告知書と同じくらい 確認しておきたいのが設備表です。

給湯器。

キッチン設備。

浴室設備。

トイレ。

床暖房。

エアコン。

インターホン。

換気設備。

何が設備として引き渡されるのか。

正常に動くのか。

不具合はないのか。

残置物として扱われるものはないのか。

設備表は、 単なる付属書類ではありません。

引き渡される物件の状態を確認する 大切な資料です。

5|設備表と契約書を、別々に見ない

設備表に、 「不具合あり」 と書かれていたとします。

そこで確認を終えるわけではありません。

その設備を どのような状態で引き渡すのか。

売主が修理するのか。

現状のまま引き渡すのか。

契約書では、 どのような取り決めになっているのか。

設備表に書いてあることと、
契約書で約束していることが つながっているかを見る。

設備表だけを読んで終わりではありません。

6|雨漏り・漏水・シロアリ・修繕履歴を見る

中古住宅では、 現在の見た目だけではなく、 過去の履歴も確認します。

雨漏りはなかったか。

漏水はなかったか。

シロアリ被害はなかったか。

腐食や建物の不具合について、 売主が把握していることはないか。

過去に修繕しているのであれば、 何を、 いつ、 どのように直したのか。

「過去に不具合があった」ことと、
「現在も不具合がある」ことは同じではありません。

過去に問題があったからといって、 それだけで悪い物件と判断するわけでもありません。

きちんと修繕されているのか。

現在の状態はどうなのか。

そして、 その状態を契約上どのように扱うのか。

そこまで見ます。

7|建物状況調査(インスペクション)は、何でも分かる調査ではありません

中古住宅では、 建物状況調査(インスペクション) を利用して 建物の状態を確認する方法もあります。

目視や計測などによって、 基礎、 外壁、 雨水の浸入に関係する部分など、 一定の範囲について 劣化や不具合の有無を確認します。

「インスペクション済み」 = 「建物のすべてを調査済み」 ではありません。

通常の調査では、 確認できる範囲を 目視や計測等によって確認します。

壁の内部。

進入できない床下や天井裏。

配管内部。

防水層内部。

仕上材に隠れた構造部分。

通常の調査だけでは 確認できない場所もあります。

何を調査したのか、何を調査できなかったのか

調査結果を見るときには、 「異常なし」という言葉だけを見るのではなく、

何を調査したのか。

どこまで見られたのか。

反対に、 どこは確認できなかったのか。

まで確認します。

詳しく調べようとすれば、費用と時間も必要です

より詳しく調べたいのであれば、 追加調査を検討することになります。

当然、 調査内容が増えれば 費用も時間も増えます。

一方、 実際の不動産売買では、 購入申込みから契約日まで それほど時間がないこともあります。

詳しく調べたいと思っても、
契約日までに希望する調査を すべて行えるとは限りません。

だから、 「インスペクションをやれば安心」 という考え方にはしません。

築年数。

建物の状態。

売主から提供されている資料。

お客様が何を気にされているのか。

契約までの時間。

調査費用。

それらを見ながら、 追加調査を行う意味があるか を考えます。

調査費用は、購入しなくても発生することがあります

買主自身が インスペクションを依頼する場合には、 買主が費用を負担することがあります。

そして、 調査の結果、 購入を見送ることもあります。

別の理由で 契約に至らないこともあります。

その場合でも、 すでに実施した調査費用が 戻ってくるとは限りません。

つまりインスペクション費用は、 物件を購入するためだけの費用ではなく、 購入するかどうかを判断するための費用 でもあります。

費用をかける前に「何を知りたいのか」を決める

雨漏りが気になるのか。

基礎が気になるのか。

床下なのか。

配管なのか。

築年数が古いので、 建物全体をもう少し詳しく見たいのか。

目的によって、 必要な調査は変わります。

費用をかけるなら、
「何が分かるのか」だけではなく、 「何は分からないのか」まで確認してから。

8|土地・戸建なら境界や越境も確認します

土地や戸建では、 建物だけではありません。

境界は明確か。

隣地から越境しているものはないか。

こちらから越境しているものはないか。

地中埋設物について 売主が把握していることはないか。

近隣との取り決めはないか。

そして、 何かある場合には、

引渡しまでにどうするのか。
そのまま引き継ぐのか。
契約書ではどう定めるのか。

まで確認します。

9|告知内容と「契約不適合責任」をつなげて見る

売買で重要になるのが、 契約不適合責任です。

現在の民法では、 引き渡された目的物が、 種類・品質・数量について 契約の内容に適合しているか という考え方が基本になります。

ですから、 単純に 「不具合があった」 だけで考えるわけではありません。

何を、どのような状態で 引き渡す契約だったのか。

ここが重要です。

告知書には何が書かれているのか。

設備表には何が書かれているのか。

重要事項説明書では どのように説明されているのか。

売買契約書では、 契約不適合責任について どのように定めているのか。

それぞれを照らし合わせます。

「何があったか」だけではなく、
「その状態を、どんな条件で引き渡す契約なのか」 まで見る。

売主が宅地建物取引業者なのか、 一般の個人なのかなどによっても、 確認すべき点は変わります。

そのため、 「契約不適合責任あり・なし」 という一言だけでは判断しません。

10|中古マンションは、管理関係資料まで重ねて見る

中古マンションでは、 専有部分の状態だけを見ればいいわけではありません。

マンション全体の状態を見るために、 管理関係資料も確認します。

管理規約。

使用細則。

長期修繕計画。

大規模修繕の実施状況。

修繕履歴。

管理費・修繕積立金。

滞納状況。

管理組合で検討されている事項。

駐車場・駐輪場。

ペット。

リフォームや工事に関する制限。

売主が把握していることと、
管理組合・管理会社側の資料から分かること。

両方を重ねます。

融資や火災保険でも資料が必要になることがあります

管理関係資料は、 マンションの管理状態を判断するだけに使うものでもありません。

住宅ローンを利用するとき、 金融機関から建物や管理状況に関する資料を 求められる場合があります。

また、 火災保険・地震保険の加入手続きでも、 建物の構造、 所在地、 築年数などについて 資料や情報の確認が必要になることがあります。

「契約できるか」だけではなく、
「融資を実行できるか」
「必要な保険の手続きを進められるか」まで考える。

特に住宅ローンでは、 契約書に定めた 融資承認期限・ローン特約の解除期限 との関係があります。

11|告知書に「無」と書いてあれば安心なのか

告知書や物件状況報告書に、 「無」 と記載されている。

それは大切な情報です。

ただし、 一つ考えておきたいことがあります。

「ないことが確認されている」のか。
「売主が把握していない」のか。

この二つは、 必ずしも同じではありません。

長年住んでいる売主と、 相続によって取得した売主では、 物件について把握している情報量が 同じとは限りません。

古い建物であれば、 以前の所有者の時代まで すべて把握できないこともあります。

だから、 書類に書かれた回答だけでなく、 その回答をどう考えるのか まで見ます。

12|賃貸なら、設備・傷・原状回復まで一つにつながっています

物件状態を確認するのは、 売買だけではありません。

賃貸でも、 入居時の状態確認は重要です。

最初からある傷。

床や壁の汚れ。

設備の不具合。

建具の不具合。

そして、 室内に置かれているものが 設備なのか、残置物なのか。

これらは、 入居時だけの話ではありません。

入居時の状態と、
退去時の原状回復はつながっています。

原状回復については、 まず大きく、

① 経年変化・通常損耗
② 借主の故意・過失等
③ 契約上の特約

に分けて考えると 見やすくなります。

さらに、 借主側の過失による損害では、 加入している火災保険の補償内容を 確認する場合もあります。

入居中の水漏れなどでは、 自分の判断だけで修理業者を手配する前に、 管理会社や貸主、 24時間サポート等への連絡を 確認した方がよいケースがあります。

退去費用について意見が分かれた場合には、 保証委託契約まで確認した方がいい場合もあります。

保証会社の審査・管理会社について詳しく
賃貸の保証会社・審査とは?|審査に落ちる理由と管理会社まで確認する不動産会社
賃貸では、保証料だけでなく、どの保証会社を利用するのか、申込み前に何を確認するのか、 入居後の窓口となる管理会社までつなげて見ています。
原状回復は、 退去の日から始まるのではありません。

入居するときから、 すでに始まっています。

入居時に確認できるものを確認する。

傷や汚れは必要に応じて記録する。

原状回復特約を見る。

保証委託契約を見る。

火災保険の補償内容を見る。

そこまで、 入居時からつなげて考えます。

13|人の死に関する告知は、別のルールがあります

告知事項の中でも、 人の死に関するものは 少し分けて考える必要があります。

国土交通省は、 「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」 を公表しています。

自然死。

日常生活の中での不慮の死。

自殺。

他殺。

特殊清掃が行われた場合。

さらに、 売買と賃貸でも考え方は同じではありません。

事故物件、 心理的瑕疵、 告知義務、 いわゆる「3年ルール」については、 裁判例まで含めて こちらで詳しく整理しています。

14|「告知事項あり」だから買わない、でもありません

告知事項がある。

過去に雨漏りがあった。

設備に不具合がある。

修繕履歴がある。

それだけで、 物件の良し悪しを決めるものではありません。

何があったのか。

現在はどうなっているのか。

修繕されているのか。

どのような状態で引き渡すのか。

契約書ではどう扱うのか。

そして、 その事実を お客様自身がどう考えるのか。

事実を隠さない。
必要以上に怖がらせない。

そのうえで、 お客様が判断できる状態にする。

弊社では、 それが大切だと考えています。

15|重要事項説明書・契約書・告知書・設備表を「点」で見ない

契約前に確認する書類は、 一つではありません。

重要事項説明書。

売買契約書・賃貸借契約書。

告知書・物件状況報告書。

設備表。

マンションなら管理関係資料。

住宅ローンを利用するなら 住宅ローン特約。

必要に応じて インスペクション等の調査結果。

賃貸なら、 原状回復特約や保証委託契約。

書類は別々です。

しかし、 契約は一つです。

書類を一枚ずつ読むだけではなく、
全部を重ねたときに 矛盾がないかを見る。

16|弊社が見ているのは「書類」そのものではありません

告知書があるか。

設備表があるか。

重要事項説明書に書いてあるか。

インスペクションをしたか。

管理関係資料を確認したか。

もちろん、 それぞれ重要です。

しかし、 弊社が最終的に見たいのは 書類や調査の有無そのものではありません。

その物件が、どのような状態なのか。
お客様は、その状態を理解しているのか。
その状態と契約条件が合っているのか。

売買なら、 物件状態と契約不適合責任まで。

マンションなら、 管理関係資料と融資・保険まで。

賃貸なら、 入居時の状態と 退去時の原状回復まで。

人の死に関する告知があるなら、 その内容と お客様がどう感じるかまで。

必要であれば、 追加調査も考える。

それでも、 すべてが分かるとは限りません。

売主が把握していること。
書類から分かること。
現地で分かること。
調査をして分かること。
そして、それでも分からないこと。

そこまで整理したうえで、 お客様に判断していただく。

「何があったか」だけではなく、
「それを、どう契約するのか」まで見る。

そこまでが、 私たちの仕事です。

契約する前なら、確認できることがあります。

「告知事項あり」と書いてある。

物件状況報告書を受け取ったが、 内容が気になる。

設備表に不具合が書かれている。

契約不適合責任との関係が分からない。

インスペクションを入れるべきか迷っている。

管理関係資料のどこを見ればいいか分からない。

住宅ローンや火災保険で どの資料が必要になるか確認したい。

住宅ローン特約が、 自分の資金計画に合っているのか確認したい。

賃貸の原状回復特約が気になる。

他社から説明を受けている物件を、 契約前にもう一度確認したい。

そんな段階でも構いません。

物件名・URLと、 気になっていることをお送りください。

一つの書類だけではなく、 確認できる情報を重ねて、 その一件として見ます。

不動産会社まで、比べてください。

続きは、その一件について。

この物件について相談する

田町・芝浦を拠点に、 港区・湾岸を中心にご相談を承っています。

不動産は、物件から始めない。
先に、お話を。

株式会社 blue blooded
代表 松村 健一

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