
横浜花博2027は何がすごい?|GREEN×EXPO・海軍道路の桜並木・ポケモンと海外観光客の視点
横浜花博2027は何がすごい?|GREEN×EXPO・海軍道路の桜並木・ポケモンと海外観光客の視点
GREEN×EXPO 2027
横浜の、あの広い空に。
世界から人が集まる。
海軍道路の桜並木から考える、上瀬谷の未来
横浜に長く住んでいる人なら、瀬谷の海軍道路をご存じかもしれません。
春になると、道路の両側に桜が続く。 その先には、横浜の市街地とは思えないほど広い空が広がっていました。
私にとっても、海軍道路の桜並木は昔から馴染みのある風景です。
その上瀬谷で、2027年に国際園芸博覧会が開催されます。
名前は「GREEN×EXPO 2027」。 横浜で開催される、最上位A1クラスの国際園芸博覧会です。
しかし、横浜を知る人間としては、華やかな開催計画だけでなく、いくつか気になることがあります。
あの桜並木はどうなるのか。 駅から離れた会場に、どうやって大勢の人を運ぶのか。 そして、海外から訪れる観光客にとって、瀬谷は魅力ある目的地になるのでしょうか。
1.GREEN×EXPO 2027とは何か
2027年国際園芸博覧会は、2027年3月19日から9月26日まで、横浜市の旧上瀬谷通信施設で開催されます。
博覧会区域は約100ヘクタール。 会場区域はそのうち約80ヘクタールです。
テーマは「幸せを創る明日の風景」。
花や緑、園芸文化に加え、環境、食、暮らし、持続可能な社会について考える国際的な催しです。
横浜市が公表する想定では、有料来場者数は1,000万人以上。 単なる地域の花のイベントとは、規模が大きく異なります。
開催内容や参加国などの最新情報は、 GREEN×EXPO 2027公式サイト で確認できます。
2.なぜ横浜の瀬谷なのか
会場となる旧上瀬谷通信施設は、長年、米軍施設として利用されていた土地です。
2015年に返還された土地は約242ヘクタール。
横浜市内で、これほどまとまった土地が残されていたこと自体が、非常に珍しいことです。
港町として発展した横浜ですが、その内陸部には、農地や草地、谷戸の地形が残されてきました。
開発から取り残された土地、と見ることもできます。
一方で、長い年月を経て、今になって大規模な街づくりを考えられる土地が残っていた、と見ることもできます。
博覧会の開催は、その転換点になります。
横浜という街を、港から郊外まで広く見るなら、 横浜・神奈川の街と不動産 もあわせてご覧ください。
横浜の内陸部に広がる丘陵や谷戸の成り立ちは、 多摩丘陵と地形の話 にもつながります。
3.海軍道路の桜並木はどうなるのか
地元の人間にとって、最も気になることの一つが海軍道路の桜並木でしょう。
あの道は、単なる会場へのアクセス道路ではありません。
春の風景として、長く横浜の人々に親しまれてきた場所です。
横浜市は、老木化や倒木の危険性を踏まえ、桜並木の再生を進めています。
健全な桜については可能な範囲で新しい公園への移植を検討し、海軍道路では病害虫などに比較的強い「コシノヒガン」への植え替えを進める方針です。
さらに、道路と公園を合わせて、約40品種・600本以上の桜による新たな名所づくりが計画されています。
つまり、桜の名所は再生される。
ただし、昔のソメイヨシノが並んでいた風景が、そのまま残るわけではありません。
これは少し寂しくもあります。
けれど、新しい桜が成長し、次の世代にとっての海軍道路の風景になっていくのでしょう。
桜の再生計画は、 横浜市の説明資料 に掲載されています。
4.瀬谷へのアクセスは、本当に大丈夫なのか
ここからが、今回の博覧会を考えるうえで重要な問題です。
会場には、鉄道駅が直接接続していません。
相鉄線の瀬谷駅や三ツ境駅、東急田園都市線の南町田グランベリーパーク駅、JR横浜線の十日市場駅から、シャトルバスを利用する計画です。
| 駅 | 会場までの想定所要時間 |
|---|---|
| 瀬谷駅 | 約10分 |
| 三ツ境駅 | 約15分 |
| 南町田グランベリーパーク駅 | 約20分 |
| 十日市場駅 | 約25分 |
所要時間は想定であり、道路状況によって変わります。
4駅シャトルバスは事前予約制で、運賃は大人200円・小児100円です。 往路・復路ともに事前予約・決済が必要となります。
瀬谷駅から徒歩の場合、公式案内では約30分とされています。
最新の運行情報、予約方法、駐車場については、 GREEN×EXPO公式アクセス案内 をご確認ください。
相鉄線は東急線やJR線との直通運転が始まり、東京都心へのアクセスが改善しました。
しかし、都心から瀬谷駅まで来られることと、瀬谷駅から会場まで快適に移動できることは別の話です。
とりわけ、休日の来場者が集中する時間帯に、道路とバス輸送がどこまで対応できるのか。
博覧会の評価を左右する要素の一つになるでしょう。
鉄道と横浜の発展には、長い歴史があります。 日本最初の鉄道が横浜へ向かった理由を、 川崎・鶴見・神奈川宿・高島築堤からたどる神奈川編 で紹介しています。
その前半、新橋から多摩川までの地形と鉄道については、 1872年の海岸線と高輪築堤をたどる東京編 をご覧ください。
5.海外観光客にとって、横浜花博は魅力的か
横浜は、海外からの旅行者にもよく知られた都市です。
みなとみらい、中華街、山下公園、港の風景。
一方、瀬谷は、海外の旅行者が日本旅行の目的地として思い浮かべる場所とは言い難いでしょう。
だからこそ、GREEN×EXPOには、これまでとは違う人の流れをつくる可能性があります。
花や庭園、環境技術、日本の園芸文化。
これらに関心を持つ旅行者にとって、2027年の横浜を訪れる新しい理由になるかもしれません。
ただし、外国語での案内、チケット予約、交通手段、帰路の分かりやすさが伴わなければ、その魅力は十分に伝わりません。
6.ポケモンを目当てに横浜へ来る人にも関係があるのか
日本旅行とポケモンは、海外のファンにとって強い結びつきがあります。
2026年には、東京都稲城市のよみうりランド内に ポケパーク カントー が開業しました。
ただし、これは上瀬谷の博覧会とは別の施設です。
また、GREEN×EXPO 2027がポケモンを中心とした博覧会になるという公式発表も確認できません。
では、なぜポケモンの話をするのでしょうか。
それは、博覧会が終わった後の上瀬谷に、大規模なテーマパーク開発が計画されているからです。
海外から人を呼べる日本発のコンテンツは何か。
その代表格の一つが、ポケモンです。
上瀬谷にポケモンが来るのか。
来るとすれば、どのような施設になるのか。
そして、瀬谷の交通インフラで、世界中から訪れるファンを受け入れられるのか。
この問題は、 第二部「上瀬谷テーマパークにポケモンは来る?」 で詳しく考えます。
一方、すでに開業しているポケパーク カントーについては、立地と事業性の両面から詳しく取り上げています。
なぜ多摩丘陵の高台にあるのか。よみうりランドの歴史、京王線・小田急線からのアクセス、首都圏で大規模な用地を確保する難しさについては、 ポケパーク カントー第一部|多摩丘陵の地形と立地 で紹介しています。
また、ポケモンという世界的コンテンツが、どの程度の集客力や収益性を持ち得るのか。ディズニー、ジブリ、マリオ、ドラえもん、サンリオなどとの比較については、 ポケパーク カントー第二部|キャラクター施設の集客力と収益比較 で考察しています。
GREEN×EXPO 2027 Yokohama — Visitor Guide
GREEN×EXPO 2027 will take place in Kamiseya, Yokohama, from March 19 to September 26, 2027.
Visitors can reach the exhibition by reservation-based shuttle buses from Seya, Mitsukyo, Minami-machida Grandberry Park, and Tokaichiba stations.
The exhibition is not the same as PokéPark KANTO, the Pokémon attraction at Yomiuriland in Tokyo.
For official tickets and transport information, visit the official GREEN×EXPO 2027 website .
7.花博は192日間。その後の瀬谷はどうなるのか
国際園芸博覧会の開催期間は192日間です。
しかし、旧上瀬谷通信施設の土地利用は、その192日間だけで終わる計画ではありません。
博覧会の後には、テーマパーク、公園、農業、物流などを含む新しい土地利用が検討されています。
横浜の郊外に残された広大な土地が、観光と産業の拠点へ変わろうとしている。
その計画には、大きな期待があります。
同時に、交通、採算、周辺市街地とのつながりという課題もあります。
桜並木の先に、何が生まれるのか。
上瀬谷の物語は、博覧会の後も続きます。