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「間取りではなく、時間を提案する」― 20代夫婦への2LDKテラスハウス提案の記録

不動産の仕事をしていると、「良い物件」の定義は人によって全く異なることを日々実感します。駅距離、築年数、設備仕様——これらはあくまで指標に過ぎません。本当に問うべきは、「その家で、どんな一日が始まり、どんな夜が終わるか」だと考えています。

今回は、20代の共働き夫婦へご提案した2LDKテラスハウスの事例をご紹介します。

この夫婦のプロフィールと課題

お二人は週数回の当直があるシフト制の勤務体系で、帰宅時間がバラバラになることが多い状況でした。休日はアウトドアが共通の趣味で、CX-5での遠出を楽しんでいます。求めていたのは「職場に近く、週末はすぐ自然に出られる家」というシンプルながら両立が難しい条件でした。


3つの暮らしの軸を設計する

ご提案にあたり、この物件で実現できる暮らしを3つの軸で整理しました。

一つ目は**「都市型リセット拠点」**。職場まで徒歩5分という立地を最大限に活かし、2F LDKを帰宅後のデトックス空間として設計。調光照明とミニマルな家具構成で、仕事モードから切り替えられる夜を実現します。

二つ目は**「アウトドア前進基地」**。1Fテラスを前室として機能させ、防水ギアBOXをCX-5への積み替え動線の起点に。高速に即アクセスできる立地は、金曜夜に準備して土曜朝に出発するライフスタイルに直結します。

三つ目は**「夫婦の時間を設計する家」**。カウンターキッチンとバースツールで料理しながら会話できる空間と、当直明けの帰宅で相手を起こさないセミダブル分離型の寝室設計。日常の小さな配慮が、二人の関係の質を守ります。


騒音・防虫対策も「造作不要」で完結

高速沿いという立地上、騒音対策は必須です。ただし賃貸物件である以上、原状回復を前提とした手段のみをご提案しています。優先度の高い順に、T-2等級の防音カーテン設置、大家さんとの交渉によるインナーサッシ導入、家具を活用した吸音配置、ホワイトノイズ機器の活用——これらを組み合わせることで、現実的な静音環境を整えます。

防虫対策についても、エアコンドレン管への防虫キャップ、玄関ドア下部の隙間テープなど、入居初日から実施できる17項目のチェックリストをご用意しました。

「物件を売る」のではなく「暮らしを届ける」

今回のご提案で最も時間をかけたのは、帰り道の急な登り坂への対策です。当直明けの疲弊した状態での上り坂は、体力面だけでなく安全面でも懸念がありました。CX-5での帰宅を当直明けのルールにすること、配車アプリを事前登録しておくこと——こうした生活習慣まで含めてご提案することが、信頼できるエージェントの役割だと考えています。

物件のスペックは、あくまで出発点です。そこに住む方の職業、生活リズム、趣味、パートナーとの関係性——これらを丁寧に伺うことで初めて、本当の意味での「住まい提案」ができると信じています。


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