
お客様のために、できることは全部やる。それだけです
取引自体はスムーズに進んでいた。
ところが決済直前、手続きが予想外に複雑な状況になった。このまま手続きが止まれば、取引のタイミングそのものに影響が出かねない。
仲介業者として、普通はここで「それはご自身で対応してください」となる。不動産の仕事じゃない。そう言えば済む話だった。
ただ、そうしなかった。
自分のネットワークを使って、行政との調整に動ける人間に連絡を取った。詳細は伏せるが、通常のルートでは時間がかかりすぎる手続きを、別の角度からアプローチして解決した。
感謝されると思っていた。
実際には、決済直前のストレスが頂点に達していたお客様に、嫌がられた。余計なことをされた、という感覚だったのかもしれない。その反応は、人間として当たり前だと今でも思っている。極限のプレッシャーの中にいる人間は、善意すら負荷になる。
だから私はそういう場面では、感謝を期待しないようにしている。「この人の取引を成立させる」という一点だけを見て動く。結果として嫌がられても、それは受け止める。
不動産の取引は、物件と価格だけで完結しない。人間が動いている以上、人間のことが絡んでくる。そこから目を逸らさないのが、私のやり方です。
blueblooded|松村 健一
東京都港区田町・芝浦|湾岸エリア