
媒介を取られた。それでも、1年後に戻ってくると思う理由|高い査定額だけで不動産会社を選ばない
RECORD / 現場から
媒介を取られた。
それでも、1年後に戻ってくると思う理由。
売主の希望価格は、実勢より約30%高かった。
不動産仲介の仕事をしていると、 「正しいと思うことを言った結果、負ける」 という場面があります。
ある売却のご相談で、 売主の希望価格は、その時点の実勢価格より約30%高い水準でした。
もちろん、高く売れるに越したことはありません。 私たちにとっても、売買価格が高ければ仲介手数料は増えます。
ただ、その時点の市場を見れば、 すぐに希望価格で成約する可能性は高くない。
媒介契約を取ることだけを考えるなら、 「分かりました。その価格で頑張りましょう」 と答える方法もあります。
高い査定額を提示して媒介を預かり、 売れなければ時間をかけて価格を調整していく。 不動産売却では、そうした進め方もあります。
私は、そうしませんでした。
WHAT I TOLD THE SELLER
「今、無理に売らなくても
いいのではないですか。」
売主には、率直にお伝えしました。
「今の実勢価格と希望価格には乖離があります。
ただ、このエリアの地価上昇の動きを見ると、
1〜2年でその差が縮まってくる可能性はあります。
急いで売却する必要がないのであれば、
希望価格のまま募集を続けながら待つという選択肢もあります。
そして、実際に売れたときには、
仲介手数料もディスカウントします。」
「今なら高く売れます」と言ったわけではありません。
むしろ逆です。
今の市場では希望価格との距離がある。 ただし、急ぐ事情がないなら、時間を味方につける方法もある。
その時点で私が考えたことを、そのままお伝えしました。
売主も納得してくださり、媒介契約を結びました。
この判断の背景にあったのが、東京の地価の動きです。 売却価格は「今いくらか」だけでなく、 その土地やエリアがどの方向へ動いているのかも見て考えます。
THEN WE LOST IT
そして、媒介を取られました。
その後、中堅の不動産会社が売主へ直接アプローチしました。
どんな説明をされたのか、 私はその場にいたわけではないので分かりません。
ただ、最終的に売主はその会社を選び、 当社から媒介は離れました。
悔しいか、と聞かれれば。
悔しいです。
仕事ですから、 媒介を失って何とも思わないわけではありません。
でも、 後悔はしていません。
あの時点で、 売主にとって必要だと思うことを伝えた自信があるからです。
NO REGRET
媒介を取るために、
都合のいいことを言わない。
高い価格を言えば、選ばれるかもしれない。
売主が聞きたいことだけを言えば、 その場では喜んでいただけるかもしれない。
でも、それが自分の見立てと違うなら、 私は、そのために話を変えたくありません。
ONE YEAR LATER
だから、1年後に
もう一度連絡するつもりです。
最初にお伝えした、 「1〜2年待てば希望価格との距離が縮まる可能性がある」 という見立ては、今も変わっていません。
だから地価が追いついてきたタイミングで、 もう一度、市場を確認します。
そして、本当に売主の希望価格が現実的になっているなら、 改めて連絡するつもりです。
「あの時の松村の話は、こういうことだったのか」
そう思っていただければ、それでいい。
そのとき当社へ戻ってきてくださるかどうかは、 その後の話です。
必要だと思えば、歓迎されないことでもお伝えする。 同じ考え方で動いた、別の取引があります。
A LONGER VIEW
不動産仲介は、
目の前の一件だけでは終わらない。
一度の媒介を取ること。 一度の契約を成立させること。
もちろん、それも仕事です。
ただ、そのために、 自分が正しいと思っていないことを言えば、 次にお会いしたときに説明がつかなくなります。
逆に、必要なことを正直に伝えた結果、 今回は選ばれなかったとしても。
半年後、1年後、数年後に、 その言葉の意味が分かることもあります。
嫌がられても。
媒介を取られても。
必要なことは、正直に言う。
私は、その方が長く仕事を続けられると思っています。
自社の売上とお客様にとって良い選択が一致しないとき、 どうするのか。 別の実例でも書いています。
CHOOSING A COMPANY
査定額だけでは、
不動産会社は選べない。
売却を考えたとき、 複数の不動産会社へ査定を依頼するのは当然だと思います。
その中で、 一番高い査定額を出した会社が魅力的に見えることもあります。
ただ、査定額は 「その会社がその金額で買ってくれる」という意味ではありません。
大切なのは、 なぜその価格なのかを説明できること。
そしてもう一つ。
媒介を取るために言っているのか。 お客様にとって必要だと思って言っているのか。
WHAT WE CHOOSE
媒介を取ることより、
その時に正しいと思うことを言う。
その結果、他社を選ばれることもあります。
もちろん、悔しくないわけではありません。
それでも、 媒介を取るために、お客様が聞きたい言葉だけを並べるよりいい。 私はそう考えています。
blue blooded|松村 健一
東京都港区田町・芝浦|湾岸エリア
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では、不動産会社は
何を見て選ぶのか。
査定額だけでは、会社の違いは分かりません。
担当者、情報の出し方、仲介手数料、利益相反。
不動産会社を比較するときの基準を7つに整理しました。
株式会社 blue blooded / 田町・芝浦サロン
代表取締役 松村 健一
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