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関東ローム層は地盤が弱い?|武蔵野台地の地盤が強いと言われる理由と違いを解説|blue blooded

地盤と、街のなりたち

KANTO LOAM / MUSASHINO UPLAND

関東ローム層は、
地盤が弱い?

それなのに、なぜ。
武蔵野台地は「地盤が強い」と言われるのでしょう。

東京の地盤を調べると、 必ずと言っていいほど出てくる言葉があります。

関東ローム層。

火山灰を起源とする、 関東地方に広く分布する地層です。

一般に関東ローム層は、 砂礫などからなる強固な支持層そのものとは異なり、 地盤としては弱い側の土として説明されることがあります。

ところが、 ここで一つ不思議なことがあります。

関東ローム層が広く分布している 武蔵野台地は、 東京の中では比較的地盤が良い場所として 語られることが多い。

関東ローム層は弱い。

武蔵野台地は強いと言われる。

一見すると、 矛盾しているように見えます。

THE QUESTION

関東ローム層は弱い。

それなのに、なぜ
武蔵野台地は強いと言われる?

まず、
関東ローム層とは何か。

関東ローム層は、 関東地方の台地や丘陵地を広く覆っています。

富士山や箱根山などから供給された 火山灰などが長い時間をかけて堆積し、 風化してできた火山灰質の土です。

東京の台地で見られる 赤褐色の土。

いわゆる「赤土」と呼ばれるものの多くも、 関東ロームに関係しています。

粒の大きな石が集まった礫層とは、 そもそも土の性質が違います。

ですから、

「関東ローム層だから地盤が強い」

と説明してしまうのは、 少し乱暴です。

なぜ、関東ローム層は
「弱い」と言われるのか。

関東ロームは、 火山灰を起源とする細粒の土です。

建物を支える地盤を考えるときには、 土の硬さだけではなく、 締まり方や含水状態、 地層の厚さなども関係します。

また、 同じロームが見える土地でも、 自然のまま残った地盤なのか、 盛土や切土が行われた宅地なのかでも条件は変わります。

斜面や造成地では、 また別の確認も必要です。

つまり、 関東ローム層そのものを見て、 「ここは強い」と判断するものではありません。

ただし、

「関東ローム層があるから、 その土地全体が弱い」

と考えるのも違います。

なぜなら、 私たちが実際に家を建てたり、 不動産を買ったりする場所は、 一つの地層だけでできているわけではないからです。

武蔵野台地の下には、
何があるのか。

ここで、 武蔵野台地を見ます。

武蔵野台地の表面付近には、 関東ローム層が広く分布しています。

しかし、 武蔵野台地は関東ロームだけで できているわけではありません。

その下には、 武蔵野礫層や立川礫層などの 段丘礫層が分布しています。

さらにその下にも、 より古い地層が続きます。

MUSASHINO UPLAND

地表

関東ローム層

火山灰を起源とする地層

段丘礫層

武蔵野礫層・立川礫層など

さらに古い地層

場所によって地層の構成や深さは異なります。

ここで、 ようやく話がつながります。

武蔵野台地が比較的安定した土地として 評価されることが多いのは、

関東ローム層そのものが強いからではありません。

台地という地形がどう形成されたのか。

その下にどんな地層があるのか。

東京低地などの新しい低地とは、 土地の成り立ちがどう違うのか。

そうしたものを含めて見る必要があります。

SOIL / LANDFORM

関東ローム層は「土」の話。
武蔵野台地は「地形」の話。

武蔵野台地そのものについては、 地形・地盤・谷・埋没谷まで こちらで詳しく見ています。

武蔵野台地|東京の地形・地盤・埋没谷を詳しく見る →

それでも、
「武蔵野台地なら安心」とは言えない。

ここも大切です。

武蔵野台地という大きな地形の中にも、 高低差があります。

台地面。

台地の縁。

崖線。

斜面。

そして、 台地を刻む谷。

同じ武蔵野台地の中でも、 条件は同じではありません。

東京都の地質資料を見ると、 台地や丘陵の中であっても、 河川沿いや谷底部には沖積層が分布する場所があります。

地上から見ると、 すでに住宅や道路が整備され、 普通の街にしか見えないこともあります。

それでも地形を見ると、 谷になっている。

昔は川が流れていた。

今は暗渠になって、 水面が見えなくなっている。

東京には、 そういう場所がいくつもあります。

同じ台地でも、違う。

だから最後は、
その一件を見る。

丘を見たら、
谷も見る。

この考え方は、 多摩丘陵でも同じです。

「丘陵だから」 という名前だけでは、 その土地の状態は分かりません。

起伏があれば、 その間には谷があります。

切土もあれば、 盛土もあります。

土地を見るときは、 地名よりも、 その土地が地形のどこに位置しているのかを見る。

多摩丘陵|硬い丘と、注意すべき谷。→

東京を離れると、
地形はもっとはっきり見える。

熊本の阿蘇へ行ったとき、 大観峰から景色を見ていて 印象に残ったことがあります。

山の大きさだけではありません。

巨大なカルデラの中に、 田畑があり、道路があり、 集落があり、人が暮らしている。

当たり前のことですが、 私たちは住所の上に 家を建てているわけではありません。

台地。

低地。

丘陵。

谷。

カルデラ。

人は、地形の上に暮らしています。

東京では建物が密集しているため、 そのことが見えにくくなっているだけです。

阿蘇のような大きな地形を見ると、 土地を見るということの意味が、 とても分かりやすくなります。

阿蘇カルデラ|大観峰から見る地形・集落・土地の成り立ち →

台地があれば、
低地がある。

武蔵野台地を理解すると、 その反対側にある東京の低地も 見えやすくなります。

台地は、 比較的古い時代につくられた地形。

低地には、 河川などによって運ばれた 比較的新しい堆積物が重なっています。

ここから、 洪積台地と沖積低地という 次の話につながります。

「台地は強い」

「低地は弱い」

とだけ覚えてしまうと、 また関東ローム層と同じことが起こります。

大切なのは、

その土地が、 どうやってできたのか。

次の記事では、 洪積台地と沖積低地の違いから、 東京の土地をもう一段下まで見ていきます。

湾岸も、
「埋立地だから」だけでは見ない。

東京湾岸も同じです。

「埋立地」

「液状化」

その言葉だけで、 一つのエリアを判断することはできません。

もともとの低地なのか。

埋立地なのか。

いつ造成されたのか。

建物はどの地層まで支持しているのか。

戸建てなのか、 大規模マンションなのか。

同じ「地盤」でも、 見る場所は変わります。

東京湾岸の地盤|土地の成り立ちから見る →

戸建てなら、
地盤だけを見ても決まらない。

ここまで地盤の話をしてきましたが、 戸建てを買うときに、 地盤ばかりを気にする必要はありません。

地盤だけを気にしていたら、 家探しは進みません。

私たちが戸建てを見るときは、 まず周りを見ます。

隣近所。

前面道路。

車や自転車の出入り。

土地の形。

建物の構造や材料。

採光。

生活動線。

そのうえで、 土地を見るなら、 その下にある地形も知っておく。

地盤を理由に怖がるのではなく、
知ったうえで、その家を選ぶ。

戸建てを買う前に見ること|隣近所・土地・建物・設計・暮らし →

「関東ロームだから」では、
土地は分からない。

関東ローム層は、 一般に地盤として弱い側に語られることがあります。

しかし、 それだけで武蔵野台地の土地を 弱いと判断することもできません。

関東ローム層の下には何があるのか。

その場所は台地面なのか。

谷なのか。

造成された土地なのか。

そして、 実際に買おうとしている敷地はどうなのか。

土の名前だけではなく、 土地の成り立ちを見る。

建物の下に、土地がある。
土地の下に、地形の歴史がある。

※地形・地質・地盤の状態は場所によって異なります。個別の土地や建物については、地盤調査、地質資料、設計図書、造成履歴等を含めて確認する必要があります。

その土地のことを、もう少し知りたい。

そんな一件があれば、物件URLからでも構いません。

その一件について、話す →

不動産は、物件から始めない。

先に、お話を。

株式会社 blue blooded|田町・芝浦サロン

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